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宮島永太良、大野愛さんと語る! 後編

 

大野愛さんと宮島永太良
 

◎大野愛(おおのめぐみ)さんプロフィール

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画家。
1988年8月12日神奈川県横浜市生まれ、獅子座、A型。
早稲田大学文学部美術史コース卒業。
卒業後、作品制作に励み、個展、グループ展等で発表。
Art Qメンバー。

大野愛 Oil Painting - Facebook ►
MEGUMI OHNO Illustration ►

 
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横浜港大さん橋で大野愛さんと宮島永太良が、絵、音楽、元町、Art Q展について
語り合いました。

宮島永太良(以下 Q):聞けば、油絵だけでなく日本画も描き始めたとか?
大野愛さん(以下A):はい、2014年春ぐらいから日本画の先生に習い始めました。

Q :日本画はどうですか、油絵とは違いますか?
A :画材が違うだけで表現としては同じことができますが、繊細でごまかしがききません。  筆の穂先を意識してしっかりしないと絵は成立しない感じです。

Q :それに比べて油絵の場合、ごまかしも一つのテクニックといえるかもしれません。  例えば、遠景の建物をぼやかして描くのは難しく、見せるためにはうまくごまかします。
A :油絵の筆使いはそうですが、日本画はゆっくり息をしながら、心を落ち着けて描きます。

Q :大変そうです。  ところで日本画で大野さんのオリジナル技法であるシマシマ絵画も描いてみたいですか?
A :そうですね、いつかやってみたいと思っています。

Q :シマシマ絵画を描くようになった動機を教えてください。
A :2012年に学生時代の友だちが住んでいる熊本へ遊びに行った時、制作用に加藤清正神社の御神木を撮り、横浜に帰って来て写真を見たら、曇天だったので色合いがなく無機的だったのでシマシマを入れて描いてみました。  それが始まりです。

御神木
「御神木」2012年by大野愛

Q :2012年は私がロコさんに出会った頃、意外に最近のことですね。  で、加藤神社の写真はモノクロっぽかったですか?
A :ですね。 それで色を入れてみようと思いました。

Q :全体に色を入れるのではなく、なぜ区切って入れたのですか?
A :「色々な色が入るなぁ〜」と思ったからです。  そこから始めて「じゃ、このシマシマで何が表せるだろう」と思案した結果、「人の心情の移り変わり、想いの違い」を入れられるのではないかと思い至りました。

Q :ふとした始まりですが、インパクトは大きいです。  私、元町の入口辺りを描いた大野さんのシマシマ作品持っています。  あそこは大好きな場所です。
A :そうでした。  ありがとうございます!

元町

Q :ところで、今までで描いた絵で一番大きいのは何号ぐらいですか?
A :シマシマではなく50号です。

Q :私も拝見した2015年春に新宿のジャズハウス「J」で、大野さんが行ったライブペインティングの作品も大きかったと思いますが?
A :ペンキで描きましたが、かなりの大きさになりました。  でも、あれは当日まで、どれくらいの広さで描けるのか分からなかったので、その場で描くスペースを決め、ギリギリまで大きく広げたガーデニングの枠に布を張ってキャンバスの代わりとしました。

Q :あの店でライブペインティングを見たことがなかったので、とても斬新な印象を受けました。
A :私も「良いのかな」と思い、オーナーの幸田さんに伺ったら、「前に数回やったことあるよ」と言われ、挑みました。 2016年4月も個展をやらせていただきます。

宮島永太良

Q :2015年は何月でしたか?
A :4月です。

Q :ちなみに私は2016年1月に「J」で個展開催の予定、3年連続になります。
A :お決まりみたいで楽しい、行きます!

Q :オーナーも先輩になります。
A :そうですね。

Q :早稲田のジャズ研で幸田さんがサックスを、タモリさんがトランペットを吹いていたそうです。  大野さん、音楽は?
A :ピアノを少し習いましたが、弾けるレベルではありません。  でも、ジャズやソウルを聴くのは大好き。  また、最近CDのジャケットを描かせていただいたご縁でクラッシックも聴くようになりました。

Q :そう言えば、中華街での個展時にはバカラックの曲を流していましたね。  バカラック自身による演奏で同じCDを、私も持っているので印象的でした。
A :そうおっしゃっていただいたのを覚えています。  好きで流していましたが、気付いてくれたのは宮島さんだけ。  でも、アトリエで描いている時は最近の曲だと速過ぎるので、テンポが合う昭和歌謡をかけています 。

Q :えっ! 大野さんは昭和生まれですか?
A : ギリギリの昭和63年生まれです。

Q :アトリエではどんな曲を?
A :アイドル曲が多く、松田聖子とかキャンディーズです。

大野愛さんと作品

Q :そうですか、元キャンディーズのランちゃんとご主人の水谷豊さんが、2014年にミーツギャラリーで行われた佐和貫利郎さんの個展に来ていて、お会いしたことがあります。
A :それはすごい!

Q :しかし若いのに昭和歌謡とは意外、沢田研二も?
A :はい、聴きます。  宮島さんの好きな音楽は?

Q :クラッシック、60、70年代の洋楽からロック系ジャズ系を問わず幅広いジャンルを聴きますが、大野さんは本当に意外でした。
A :毎日7〜8時間、アトリエで描いているので、自分にとって心地良い音楽が何より。  中でも70年〜80年代の昭和歌謡は本当に好きです。

Q :今の歌は電子音も多いし、ピップホップ系はどうも苦手。
A :私もそうです。  ひとりで飲みに行くことはほとんどありませんが、ウチの近くにソウルバーが一軒あり、そこだけはたまにフラっと入ります。

Q :そう言えば、かつて横浜の中心は元町辺りだったと聞いたことがあります。
A :元町、少し元気のない時期もありましたが、今は二代目の方々が張り切って、色んなイベントを行っているので活気あります。  また、アートが好きな会社も多いので、ショーウィンドーに作品が展示されていることがあり、町の雰囲気は良いです。

Q :元町商店街を歩きと、一瞬「外国か!」と思うことがあります。
A :そうですね。  でも最近はチェーン店も多くなっているので、個性がなくならないように昔からの元町の人は頑張っています。

喜久屋

Q :商店街の真ん中辺りにケーキ屋さんがありませんでしたか?
A :「喜久屋」ですね。

Q :子どもの頃、そこの2階でカレーを食べた記憶があります。
A :2階、今は閉鎖したと思いますが、昔は入れたようですね。  メニューもケーキと飲み物だけになっています。  あそこのチョコレートで包んだケーキ、ラムボールはおいしいですよ(笑)。

Q :「喜久屋」はオリジナルの品揃えなので、かつて私もホワイトデーに使いました。  で、いよいよ最後の質問です。  2016年2月に第1回Art Q展が開催されますが、実現に向け大野さんがかなり交渉を重ねてくれたと聞き、感謝しています。  ところでアラメ会とは何時頃からのご縁ですか?
A :最初はアラメ会と言うよりロコさんですね。  今はありませんが、私が小さい時、近所にロコさんの壁画があり、それを見ながら育ってきたので親近感がありました。  そして約2年前、元町にあったランチパッドカフェで、キャンドッグさんの個展時に偶然ロコさんに出会い、それからのご縁です。

Q :私も最初にロコさんに会ったのは大岡川の桜祭り。  ユニークな偶然の出会いも似ています(笑)。
A :今日は宮島さんと共通の話題が多く良かった。  馬車道Uluruで約2週間行われるArt Q展、そこでは、作品展示に加えまこさんたちによる音楽イベントやパーティもあるので楽しいイベントになると思います。  皆さん、是非遊びに来てください!

・今日はありがとうございました。

おわり


明けばまた
「明けばまた」2013年by大野愛
(文・写真 関 幸貴)
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