TOPTalk : 対談

画業10年を迎えた大野愛さん「これまでとこれから」を語る! 後編 

 
 

◇大野愛(おおのめぐみ)さんプロフィール

油彩画家。 
横浜出身・在住。
多様な価値観・世界の見え方をストライプで表現した画法で著作権取得。
シマシマ画 © 2013

◇大野さんの作品が観られるPort Art Pirates 展
会期:2023年7月5日(水)〜17日(月・祝)
会場:岩崎ミュージアム
所在地:横浜市中区山手町254
電話:045-623-2111(代表)
アクセス:みなとみらい線元町・中華街駅 元町側出口から徒歩8分

 

これからのこと

・前号からの続き…
月刊宮島永太良通信編集部(以後Q):興味深いこれまでのお話をありがとうございました。続いて、これからの大野さんの夢や方向性についてお聞かせください。
大野愛さん(以後A):そうですね。別に大きな夢はなく、画家として有名になれてお金を稼げたら嬉しいけれど、それが私の目標ではありません。最近もそごう横浜店の社員さんにも「私に稼ぎたいとか、有名になりたいとかいう欲があれば、もっと自分で展開を考えて行くんだろうけれど、描くこと以外に時間を使いたくないのです」と、お話したばかりです。つまり、これからも私はずっと絵を描いて行ければ良いなと思っているだけなのです。

 

:描くのが一番ですね。でも最近は制作活動に加え、横浜のアートフェアでアーティストのプロデュースをされているとか?
:はい、横浜市芸術文化振興財団の方の声をかけられ、2021年から始まったアートフェア「ミナトノアート」の実行委員をしています。第1回は急なお話だったので仕込みができず、私の個展を行いましたが、第2回の昨2022年は、作家さん11名を紹介せていただきました。

:11名をプロデュースをした昨年の「ミナトノアート」はいかがでしたか?
:まず、最初に芸術文化振興財団の方に横浜の作家さんを紹介することに加え、「今までの絵の購買層じゃない人をターゲットにして、気軽にたくさんの方々にアートに触れる機会を作って欲しい」と言われ、私も同意で納得しました。それで若手と言うより、地元で活動していて実力のあるけれど、まだそこまで知られていないアーティスト、私自身の経験から、不特定多数の方々に作品を直接見ていただくにはデパートが最適と考え、横浜高島屋とそごう横浜店に展示をお願いし、実現しました。

:結果はどうでしたか?
:お客様には喜んでもらえたし、作家さんにはユニークな会場での展示を楽しんでもらえたと思います。今年も同じスタイルを考えていますが、昨年よりお客様と作家さんの距離が縮まり、繋がりが継続する素敵な催しにしたいです。

 

:今秋の「ミナトノアート」が楽しみです。そう言えば、大野さんがそごう横浜店と縁ができたのは、猫だったと前回お話しされていましたが?
:そうです。前に飼っていたクロの記事がヤフーニュースに載り、それをそごう横浜店に作家を紹介する方が見たのがきっかけで個展が実現しました。本当にびっくりするような猫が結んだご縁です。

:ところで猫はいつごろから飼っていますか?
:最初は野良猫でしたが、私が3歳ぐらいの時から何かしら猫がいます。それで、小学校の庭で猫の赤ちゃんが生まれ、その子猫を人間が触っちゃったから引き取るしかなくなり、我が家へやってきたのが始まり。最初が保護した猫だったので、それ以降、一度もペットショップで買ったことはなく、全て私か同級生の金伊雪が連れて来た保護猫です。ただ、いまのトロだけは保護施設から連れて来ました。

 

:何故、保護猫なのですか?
:もともと小学生の私の夢は獣医さん。辛い思いをし傷付いた動物を救いたい気持ちが強かったからですが、犬を最初に飼っていたら、犬だったかもしれません(笑)。

:いま飼っているのは?
:一匹だけです。毎日よく喋り、まるで私の保護者のような振る舞いをするトロですが、一緒にいると癒されます。そう、いつの日か絵で稼ぐことができたら、猫の保護施設を作りたいです。現実的には、我が家を一時預かりも含めた保護施設にする将来の構想を一人で練っています。

 

:楽しそうな猫の未来ですね。さて、最後の質問です。4〜5年前から金伊雪さんと始めた Port Art Pirates(=海賊)は、これからどう展開して行くのでしょう?
:ワークショップから始まり、金と二人で始めた海賊ですが、2020年以降のコロナ禍では表だった活動ができず、月一のラジオ放送ぐらいでしたが、昨年7月、岩崎ミュージアムで初めての「Port Art Pirates 展」を開催したのに引き続き、今夏も同様に第2回目を行うことが決まりました。

:展示内容は?
:作品で考えれば、私は絵、金は写真、たまに合作はありましたが、いつもお互い平面で終わっていました。でも、岩崎ミュージアムと言う大きな会場だと、これまでできなかった立体的に見せるインスタレーションとか、絵と写真だけで終わらない他のジャンルの表現が可能になりました。その分野、あまり得意ではありませんが、協力的なミュージアムのスタッフの力を得て、色々やってみたいと二人で試行錯誤しています。それに加えて、海賊に新メンバーも加わり、今夏はいっそう楽しいイベントになりそうです。是非、「Port Art Pirates 展」に遊びに来てください。よろしくお願いします。
:今日はありがとうございました。「Port Art Pirates 展」が楽しみです。

終わり

 

(構成・撮影 関 幸貴)

 
 
 
 
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