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◇新連載◇ 宮島永太良とアートが気になるインタビュアーの対話

 

ここからアートステーション 第1回

=アートが気になるインタビュアー/A=宮島永太良

:今日から新しい連載が始まりました。
宮島さんには旧連載の最後に、また私と対談したいと言っていただき、私もその時を楽しみにしていましたが、こんなに早く希望が叶うとは思いませんでした。
:私もこんなに早くまたご一緒できたことを嬉しく思います。どうぞよろしくお願いします。

:こちらこそよろしくお願いします。
早速ですが、前連載の最後に、今後「健康とアート」に力を入れて行きたいというお話でした。健康には「体の健康」と「心の健康」があると思います。
:はい、またその狭間にあるものとして「脳の健康」もあります。

:そうですね。とても奥の深いテーマです。
こうした奥が深いテーマを、この新連載では水面に浮き上がらせ、わかりやすく話し合って行こうというのが目的です。
:はい、決して簡単なことではないですが、楽しみにしています。

:健康と言えばまず体を丈夫に保つこと。そして丈夫に保つには体のことをよく考える。そうしたテーマを皆さんに伝えることも、この連載の大きな目的かと思います。
:はい、私も考えた末、人の体の各部分の問題を考え、さらにその解決にアートがどうかかわって行けるかを語っていけたらと思いました。

:そのようにお聞きしています。ではまず人の体を、読者の皆さんにもわかりやすい部分部分に分けて考えたいと思いますが、最初に「顔」から考えてみましょう。

 

作品名 「顔」 2007年制作 木・粘土・アクリル 15cm × 21cm 

 

● 顔
:顔に関する健康イメージとはどんなものでしょうか。
:やはり、多くの人は「笑顔が良い」と言います。人は笑顔になると、ドーパミン等の幸福になるホルモンが分泌され、それが健康のもとにもなる、と聞きます。

:そうですね。ただ、急に笑顔になろうと思っても、難しい時はないですか。
:かなり前、聖路加病院の日野原重明先生がご存命の時、講演を聞いたことがあるのですが、やはり「朝起きたらまず鏡に向かって笑顔になってみよう」と言われていました。でも時には笑いたくない時もあるので、そんな時は「顔の片方だけでもいいから笑ってみましょう」と言って実際に例を見せられたのですが、聴衆はその顔がおかしくて爆笑していました。

:おもしろいですね。理由があれば笑えるわけですよね。写真を撮る時、ただ「笑って」と言ってもなかなか笑えないので、撮影者が面白いことを言って自然に笑わせるようなものですね。
:はい。そうして笑っている人がいると、また周りの人も連鎖反応で笑うのがおもしろいです。

:結局は顔単体の問題でなく、楽しいこと、嬉しいこと、面白いことを見て考えることから笑顔は作られるわけですね。
:また、笑顔というのは人と一緒の時のがなりやすいというのも、以前気づきました。街中を歩いている人を見ていると、一人で歩いている人は笑い顔や泣き顔をすることはまずないですが、怒り顔(しかめっ面)で歩いていることは普通にあるのです。別に怒っているわけでなくとも、一人でいると怒り顔(しかめっ面)になりやすいのでしょう。

:宮島さんもご自身でそれに気づかれたんですか。
:はい、一人であるいている時などふと気づいてみると、鏡を見たわけでなくとも「今怒ったような顔してたな」と感じることがあります。尤も私の場合、一人で歩いていても、おかしいことなどを考えていることが多く、気づいたら一人で笑いながら歩いていたなどということも逆にあります。

:なるほど、時々一人で笑っている人を見かけることがありますが、そのような場合なんでしょうね。
:いずれにしても笑顔になれるのはいいことです。私はかつて、「自分の顔の福笑い」というのを考えたことがあります。

:アートになってきましたね。
:自分の顔を描いて部分部分を切り抜き、目隠しして並べ直してみるのです。

つづく

 

  
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