Story : 詩と作品
連載31回目 創造主が…
その義務を放棄するならば
不思議なことがある。
時間が進むのを見ていると、本当にそう思う。
何事にも始まった「時間」がある。
では「時間」はいつ始まったのか?
この世が造られた時か?
一日目には昼と夜が造られ、
二日目には天が造られ、
三日目には陸と海が造られ、
四日目には天体が造られ、
五日目には微生物、魚、鳥が造られ、
六日目には獣が造られ、
そして自身の生き写しである支配者を造った
その創造主は、七日目に休息したという。
月、火、水、木、金、土、日
日、土、金、木、水、火、月。
造られたものが消えて行く。
そんな時も来るのだろうか。
いや、時間は逆行しない。
逆行しないが、始めに戻ることはある。
もしも創造主がもう一度腰を上げねばならない時、
その人が消え、生物が消え、地球が消え、
宇宙の天体が消えた時だろう。
その状態にするのは意外に簡単かもしれない。
創造主に姿形がそっくりな我々が、
その義務を放棄するならば。
そして時間の始まりはいつか、
永久にわからなくなるだろう。
「業 – 「創造」」
宮島永太良