Road : つれtakeロード
■ 好評連載!
宮島永太良、夜の横浜野毛を目指す!
第15回 野毛の夜を散策 「ら×旺」編
横浜 / 野毛地区は、JR桜木町駅から京浜急行日ノ出町駅までの間、大岡川と横浜市中央図書館
あたりまでの一帯を言い、現在では600軒近い店がひしめく一大飲食店街だ。
裏手の路地にはスナックやバー、赤提灯が軒を連ね、近くには場外馬券売り場やストリップ劇場まであり、風俗街もある。
いわゆる“おじさん”の聖地だ。
しかし、最近ではそうした普段着で歩ける町を好む若い女性も多くなったという。
暖かい2月中旬の午後7時前、宮島永太良の姿は、野毛中央通りに面した立呑み居酒屋「ら×旺」にあり、手にはハイボールのグラスが握られていた。 「最初、この店に来たのはひとり、2012年8月の暑い夜でした。 今ほど横浜に縁がなく、野毛でどの店に入って良いのか思案していると、窓越しに中がよく見え、開け放たれた店先には優しそうなママがいて、迷っている私を目で認め、ちょっと変わった反応をしたので、吸い込まれるように入ったのを覚えています」と、宮島は店との経緯を語り始めた。
店内にはカンターとテーブル席があり、座れば定員は10数人だが、立呑みがOKだから、かなりの人数で楽しめそうだ。
かつてカラオケがあった頃、絵描きの友人たちと訪れ、大騒ぎしたという宮島が、グラス片手に味噌仕立ての煮込みや唐揚げをつまみながら、「この店、料理もおいしいんです」と、
微笑む。
2杯目のグラスがなくなる頃、店内はより明るい空気になってきた。 そうこうしているうちに幸せそうな男女のカップルが入店。 そして、席に着く間もなく男性がママに結婚式の日程を楽しそうに報告していた。 常連さん同士で顔見知りなのだろう、前からカウンター席にいたお客さんも嬉しそうな表情をして結婚話に耳を傾けていた。
「常連さんの多い店ですか?」と、堀江幸子ママに問うと、「いいえ、確かに常連客は多いですが、この店は野毛では珍しく大きな窓があって見通しが良い店なので、地元でないフリーのお客さんもかなりいらっしゃいます」と、返事。
続いて、店名の由来を聞けば、1番上でデザイナーをしている娘さんが、7年前の開店時、水商売の店名は13画すると繁盛すると聞いたので名付けたとか。
また、根本的な「ら×旺」な意味は、直接店でママから語ってもらった方が味わい深いだろう(笑)。
少し火照った顔をした宮島が、「この店には独特の開放感があり、素直に感情を表に出すことができます。 昨年の春、私もちょっとした悩みをママに聞いてもらったことがありました。 また、一緒に飲みに来た友人が、私の知らない時に人を連れて『ら×旺』来店したそうです。 そんな後日談を聞くと、店を核に人の繋がりが増えるようで嬉しいです」と、言いながら3杯目のグラスを空けた。
・お店情報
やきとり・串あげ 立呑み
ら×旺 (RAOU)
〒231−0064
横浜市中区野毛町1-31 1F
tel: 045-261-5806
JR桜木町駅から徒歩5分
間もなく午後9時、そろそろ次へ…