Story : 詩と作品
連載第12回 プレゼントの季節…
毎日の生活の中にも
素晴らしいプレゼントがあったんだ
もうこの店で働いて何年になるだろう。
ある日、レストランの古い皿は思い起こしていた。
コックも入れ替わり、
内装も年々変わっていったこの店。
自分はもう古株になってしまったな。
今までいろんな物を乗せてきた。
肉も乗せた。魚も乗せた。野菜も乗せた。
果物も乗せた。ケーキも乗せた。パンも乗せた。
今日は野菜たちが、何やら私に感謝したいと
メッセージを送ってきた。
べつに感謝されるようなことをした覚えはないけれど、
彼らは良い料理になれたことを喜んでいるのだ。
食べられるために作られた彼ららしい。
私がいなかったら、
人に食べてもらえなかったから、というのである。
良い料理になれたこと。
それは野菜たちにとって最高のプレゼント。
食べる人にとっても同じこと。
もっともっと喜ぶべきことなんだけどな。
街では今あちこちでプレゼントが交換されてるけど、
毎日の生活の中にも
素晴らしいプレゼントがあったんだ。
「さらにプレゼント」
宮島永太良