クラブ ピードゥ チャリティー写真展に宮島永太良も出品!
写真愛好者の集まり「クラブ ピードゥ」は、写真画家の丹地保堯さんとプロゴルファーの中島常幸さんが「自然と共に生きることの大切さ、その思いを写真に託し、未来に伝えていきたい!」という強い志で立ち上げた。
その思いを胸に2011年12月3日から11日まで、銀座のJトリップアートギャラリー特設会場で「第4回クラブ ピードゥ チャリティー*写真展 〜自然との共生=未来に残したい宝物」が開催された。 展示作品は、宮島永太良が東北の被災地で撮影した「宮城にて」をはじめ、30名以上の力作が並んだ。
写真画家/丹地保堯さん
「4回目になりますが、年々、参加者の腕前が上がっているのを感じます。
写真展のことを考え、日常的にカメラや写真に触れているから自然にうまくなるのでしょう」と、会場で微笑むのは丹地保堯さん。
次回の開催が待たれる…
チャリティー*:出展作品の販売で得た収益は、環境保護団体に寄付。
宮島永太良、自ら今秋のパリ体験をレポート!
これでもか、これでもかと歴史と文化が呼び立てる。
パリはそんな街であった。 芸術の都と呼ばれるパリだが、それにはそう呼ばせるだけの文化的背景と、国民の自信がある。
そんなパリの街で、今回個展を開催したのだから、それは大海にさまよって出た小ボートというふうに我を省みてもおかしくはない。
会場となったアートスペースギャラリーは、エッフェル塔近くのスイス村(La Village Suisse)にある。
この一角は美術品の店、骨董品の店なども多く並んでいる。 ギャラリーのオーナーはイギリス人で、パリの中では比較的、イギリス人も訪れるギャラリーであるようだ。
会場は1階と地下の2フロアあり、メインとなるのは地下で、広さは約218.58u(約66坪) ほど。 一人の作家の個展会場としては広い方である。
だからといってあまり多くの作品を出してしまっても、広いだけに余計圧迫感を与えてしまい、展示が難しい会場といえるだろう。 そのため、今回は何点かの作品を外したりもした。 今回は「生気あふれるガイコツ」という作品が(案内状に印刷されたりもして)メインのようになったが、この作品も2002年に描かれたもので、決して新しくはない。 しかしながら、特に古い作品とも思われなかったのは、宮島永太良の特徴といえば特徴である。
フランスの人は、絵を見ればたいてい何かを語りたがり、Q&Aをしたくなるようだ。 オープニングのレセプションで飲み物を出した時も、展示物についてあれこれ語りながら飲んでいる人がいたのは印象的だった。
また「生気あふれるガイコツ」をはじめとした”意味不明形”の絵の意味を問おうとする人も多く、私も何回か自分なりの答えを通訳頼みで話したが、それに対して不快や難解感を示されたことはなく、どちらかというと満足げにしてくれたお客さんが多かった。 相手にとことん意見を聞いて、それをひとつの考えとして認め合う、それがフランス人なのではないだろうか。 日本ではよく、やたらなことをいうと専門家から怒られるから、黙っていた方がよいのではないか、といった消極思考もたまに起こるが、フランスではそういった心配はないのではないかと思った。 だからこそ、国民一人ひとりの主張も強いのではないかと思うのだ。
▲ルーブル美術館 ガラスのピラミッド
このようなフランス人と日本人の文化的な相違に関しては、はっきりとではないが、見えてきたことがいくつかある。 日本人は時々、色や形などどうでもよくなる時がある。 というと語弊があるが、実用性と色・形が伴っていないことが時たまあるように思えるのだ。 たとえば、かなり急ぎの用事をすませなければならないので、着ているものなど選んでいる場合ではない、とか、そういうことはよくあるであろう。 しかしフランス人からしたらそれはそうとう終末的なことなのではないのか。 さらにたとえれば、日本人は言葉をとても大切にする。 やはり急ぎの用事をすませなければならない時、相手に対して「これ早くやっとけー!」と怒鳴ったら、かなり気まずい風が吹くだろう。 どんな切羽詰まった時でも「これをやっておいて下さいませ」と語る方が、心象が良いのは当たり前だ。 フランス人は着ているものや持ち物でも同じことが当てはまるのではないのだろうか。 どんな状況でも「美」を大切にしているのだ。 だからこそ、歴史的にも「美」を扱う芸術が発展したのかもしれない。 個人的にはそのように感じた。
*
▲モネのアトリエ(ジベルニー)
今回は美術にまつわる場所も、いくつか見学できた。ジベルニーにある「クロード・モネのアトリエ」と、フォンテーヌブローにある「ジャン・フランソワ・ミレーのアトリエ」も訪れることができた。
ジベルニーはパリから南西方面、フォンテーヌブローはパリから南東方面と若干場所は違うし、町並みももちろん違うのだが、この二人のアトリエがかなり似ている感じがした。 というより、フランスの風景を描いた画家のアトリエとして、空気が同じなのだろうか。
▲モディリアーニの作品とマルタ
特にモネが晩年に過ごしたと言われるこのアトリエには、モネ自身の作品のほか、日本の浮世絵のコレクションがそれと同等かそれ以上くらいにあったのは驚きだった。 マネ、モネ、ルノアールなど印象派の画家は、日本から来た浮世絵にインスピレーションを得て、印象派の画風を確立したといわれているが、ここまで好きだったとは!
しかし、世界が認めている印象派の原点が、浮世絵にあるというのは、日本人として大変嬉しいし、誇りに思える史実である。 今回は個展開催ということで、あまりたくさんの所は巡れなかったが、パリとその周辺は、ぜひまた行ってみたい場所であった。
ベルサイユ宮殿 庭園の池
(文と写真 宮島永太良)