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Friendsには、ジャンルを問わず宮島永太良の友人知人が登場!
毎回、親しい視線と言葉で宮島の実像に迫ります。

5〜6月は、メーキャップアーチスト・タミー木村さんが登場!
今号では、これまでのタミーさんの活動についてお聞きしました。

タミー木村さん

◎タミー木村さん プロフィール

タミー木村さんspace
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兵庫県宝塚市出身。
7月26日生まれ、獅子座、A型。
四年制私立大学英文科卒業。
1982年メーキャップアーチストデビュー。
関西を拠点に講師・講演活動がメイン。
高齢者のためのポジティブメイク主宰。
現在、大阪樟蔭女子大学 被服学科 化粧文化専攻教授。
父君は、第1回朝日広告賞、毎日新聞社賞、電通賞など多くを受賞した
先駆的グラフィックデザイナー木村友禧(きむらともよし)さん。
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今号は大学卒業から現在に至るまでの経緯をお聞きしました。

 
タミー木村さん

編集部(以下Q):宜しくお願いいたします。最初に大学卒業後から現在に至る経緯を教えてください。
タミー木村さん(以下A):英文科だったので、商社・航空会社等の一流会社から求人はたくさんありました。  しかし、親の反対と大卒でも女性はあまり就職しないという風潮が当時あり、私は大学を卒業してすぐに結婚。  そして、約10年間は専業主婦、その間には出産・子育てを経験しました。  でも、どうしても働きたくなり、何時しかメーキャップアーチストと巡り会いました。

Q:子どもの頃からメーキャップに興味はありましたか?
A:いいえ、12歳ぐらいからピアノを習っていたので、将来はプロのピアニストになるのが夢。  でも、今の元気な私からは想像もできませんが、その頃は病弱で厳しい長時間のレッスンにはついて行くのも大変、父の反対もありピアニストの夢は破れました。

Q:お父上の反対理由は?
A:もともとが画家の父は、新しい分野の仕事をしている割に『女性は家庭が一番』という考えの持ち主で、どうも女の子を芸術家にしたくなかったようです。 『苦労をさせたくない』と言う、親心が言わせたのかもしれませんね。

タミー木村さん

Q:では、何故メーキャップと巡り会ったのですか?
A:メーキャップアーテイストを熱望することはありませんでした。  ただ、私が幼い頃から父の仕事関係上、多分野に造詣が深く、色々な方が家に出入り。  そうした環境ですから、ファッションにも通じていた父のセンスは一味違っていました。  例えば、その頃の女子大生は既製品を着るのが普通。  でも、私はイタリア製生地での誂えの服や東京から買って来た服を普通に着ていました。  父もその姿を見るのが楽しみだったようです。そうした子ども頃からの『美』に触れ続けた体験がこの道を選んだ自然な動機だと思います。  以前、大学時代の友人に『何故、私はこの道に進んだのだろう?』と聞いたら、『学生時代から、タミーは私たちにお化粧やファッションのアドバイスをよくしたくれたは』と、言われましたが、全く記憶がありませんでした。

Q:記憶がない?
A:はい、ほとんど無意識。自然の流れでメーキャップアーチストに辿り着いたと思いますが、だからと言って簡単に仕事を得られたわけではありません。

川野佐江子さんの研究室で
▲宮島永太良ファンの
川野佐江子さんの研究室で

Q:初期のエピソードがあれば!
A:独り立ちしたのが30代の後半でした。  それと前後して、ある有名な学校の大きなイベント開催が決まり、駆け出しの私にメーキャップアーチストとして白羽の矢がたちました。

Q:イベントの内容は?
A:会場は京都のホテル、当時は80年代中盤。  『変身ブーム』が流行、その流れから、会場でひとり女性を捕まえてヘヤーとメーキャップを施してキレイに変身させる。  そうした内容でしたが、当時の自分の力量を客観的に考えたら疑問が湧きますが、『できます』と、落ち着いて返事をしていました(笑)。

Q:何故『できる』と?
A:人を美しくすることに自信があったからだと思います。

Q:作戦はありましたか?
A:ありません。  決まった以上は成功させるしかありません。練習あるのみです。  幸いなことに開催までに時間があったので、それまで以上にメーキャップの勉強に励み、ヘヤースタイルも友人のご主人が美容室を経営していたので、3ヶ月間、毎晩8時過ぎから、みっちりレッスンを積みました。

薔薇

Q:結果はどうでしたか?
A:お陰さまでうまく行きました。  それが縁で校長に認められ、私は、大阪の“ジョンロバートパワーズスクール”の講師になることができました。  だから、とても幸運と言えますが、当時は新しい分野の講義になるので、より一層メーキャップの勉強に力を入れて、毎年の様にミラノやニューヨークへ行き新しい情報に触れていました。  あの頃も良い出会いがありました。

Q:パワーズ以外では?
A:同時進行で『大阪・朝日カルチャー』でのメーキャップとファッションの講師も勤めました。  カルチャーと言えば、それまでアカデミックな教室しかなく、私の講座はそれまでになく斬新で、中ノ島周辺の若いOLさんを中心に支持され、大変な人気を博しました。

Q:お仕事で辛かったことはありましたか?
A:全くありません。  何故なら私は、嫌な仕事をしたことがないからです。  それに人をキレイにするのが仕事、そのためには自分自身が楽しいことが必要条件です。  つまり、私が幸せでなかったら、人を幸せにすることはできません。  これが私の美意識です。  周囲が皆、キレイな方が良いじゃないですか。だから、学生時代から無意識に同級生にアドバイスをしていたのだと思います(笑)。

研究室の表札

Q:メーキャップは深いですね。。
A:多面的に見てメーキャップは奥がとても深いです。 そのことを実戦重視の私が知ったのは、偶然にも朝日カルチャーの講座でした。

Q:講座名は?
A:哲学者・鷲田清一(現大阪大学総長)さんの『化粧』についての講座。  大変興味があったのでスタッフに頼んで全て聴講させてもらいましたが、内容の深さに驚嘆。  それまで独自の感覚で実践して来た私は、本当に驚きました。

タミー木村さん

Q:具体例があればお願いします。
A:巫女さんが化粧をするのは、神さまへ頼み事をするため、暗く沈んでいた女性が化粧で明るくなるのも効用。  また、クレオパトラの目の下の黒いラインは太陽の明るさから目を守る医学的な意味等、化粧の関連した講義に興味津々、その上化粧心理学を研究している学者が居る事も驚きでした。

Q:それで?

以下、次号に続く…

*タミー木村さんが教授を勤める大阪樟蔭女子大学では、
5月14日(土)にイベント“メイクの日 In Osaka”を開催します。
 
内容はメイクをテーマにしたセミナー、コンテストなど。
詳しくは、下記URLへアクセス♪
http://www.osaka-shoin.ac.jp/univ/general/area/open_lecture_kosaka/1887/open_lecture_kosaka_detail.html

by Sekikobo
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