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◇新連載 第3回 宮島永太良とアートが気になるインタビュアーの対話

 

ここからアートステーション 第3回

=アートが気になるインタビュアー/A=宮島永太良

:では今回から、顔の各部分についてみて行きましょう。まずは「目」からです。人間は目からの情報が7〜8割だと言われますね。
:人間は視覚情報が中心の動物で、それは猿も同じだと言われます。しかし犬は、鼻による情報収集が中心で、目はほとんど見えていないとも聞きます。

:人間の感覚で他の動物を見てしまうと、そうしたズレもおこって来るのでしょうね。
しかし目は不思議な感じがします。体の部位の中でも、触れることがあまりできにくいというか。耳や鼻なら、手でつかんだり、かゆければ直にかいたりしますが、目はそういう感じではありません。
:体全体をざっと見た時、目だけが潤いのある異空間というか、触ってはいけない場所という感じです。

:そうですね。目を直接触れるのは怖いですよね。目がかゆい時はどうしますか。
:目を閉じた瞼の上からこすります。

:私も同じです。本来はちゃんと目薬を入れるべきでしょうけれど。
目と言えば、やはり視力の問題があります。最近はスマホの普及から、至近距離ばかり見る機会が増えましたが、もっと遠くを見ないと、視力はますます落ちてきますよね。
:さらに言えば、遠い所、近い所をまんべんなく見ることが、目にとっては良いのかもしれません。眼球はレンズのようなもので、近くを見る時はそのレンズを厚くしています。
こうした目の筋肉の動きが運動になるのであり、一定の距離ばかり見ていると、やはり他の筋 肉と一緒でなまって来るのではないでしょうか。

 

 

作品名 詩を奏でる絵・リルケ「厳粛な時」2005年制作キャンバス・アクリル 16cm × 23cm

 

:また加齢もありますよね。
:視力もある年齢から徐々に衰えてくるのは避けられません。私は若い時わりと視力は良かったのですが、そういう人の方が老眼等になりやすいとも聞いています。
ある年齢から視力が低下して来まして、現在は少しでも回復させようと地道に努力しています。

:どうやっているんですか。
:目はレンズになっていると言いましたが、そのレンズを意識して、遠い所、近い所、まんべんなく見るようにする。空の雲とか遠くの建物とかを見たら、次に自分の手のひらを見る。そしてまた遠くを見る、というトレーニングをしています。
時々、自分だけでやっているのが勿体なくなり、SNSを通じて空(雲)の写真をアップし「あなたの上の空と比べてみて下さい」としたことがあります。

:なるほど。そうすれば自然と見た人はスマホから目を離し、空を見ますよね。近い所と遠い所とを見比べてくれるということですね。
:以前ふくらはぎの体操というのを覚えたことがありました。ふくらはぎは専門家によると「第二の心臓」と言われていて、下がった血液を戻し、血液循環を良くする働きがあるということです。さらにつま先立ちと踵立ちを交互にした軽い体操を行なうと、その効果はさらにアップです。この体操の瞬間「気持ちが良い」と思うことが多いのです。

:そうですね。血液の流れが良くなっている時ほど、感覚としてわかるのかもしれませんね。
:この気持ちよさと同じような感覚が、目の運動をしている時にも起こるのが最近になってわかりました。

:やはり体に良い動きというのは、気分もよくさせるのでしょう。そうした意味ではわかりやすいですよね。

つづく

 

  
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