TOPTalk : 対談

赤坂で「異邦展」を開催中の原雅彦さんに自作品を語っていただきました

原雅彦さん


◇原雅彦(はらまさひこ)さんプロフィール
アクリル画家、額製作者
Meets Art Clubメンバー
1958:福岡県生まれ
1980:成蹊大学工学部卒業

☆主な活動履歴 
2016:平成27年度「近美関東美術展」入選・「帆船(横濱)」奨励賞受賞
2018:厚展第20回記念展に「木のある丘(美瑛)」
2019:MASAHIKO展(夢工房だいあん/横浜)
2020:海展(風海/伊勢原)
2021:「異邦展」現在開催中

☆「異邦展」開催情報
会期:2021年8月1日(日) ~ 9月30日(木) 
会場:ドイツ&オーストリア カフェレストラン Mahlzeit マールツァイト
所在地:東京都港区赤坂7-5-56 ドイツ文化会館1F
アクセス:東京メトロ都営大江戸線青山一丁目駅C出口より徒歩約8分
*飲食店につき1オーダーorテイクアウトお願い致します。
*営業時間等につきましては下記URLよりご確認ください。
https://lit.link/mahlzeit

☆web → https://www.facebook.com/masahiko.hara.50

 

原雅彦さんヨコナガ作品を語る!

原雅彦さん


月刊宮島永太良通信編集部
(以後Q):原雅彦さんと言えば、多くの方がヨコナガに描かれた風景画を連想します。何故ヨコナガを描くようになったのか、今日はその経緯を語っていただければと思います。早速ですが、いつからヨコナガ作品を描き始めましたか?
原雅彦さん(以後A):2008年にヒマワリをテーマにして小さなヨコナガを描きました。今のような大きめのサイズで描き始めたのは2014年からです。

Q:ヨコナガは誰の影響ですか?
A:会社勤めをしている時、私用で訪ねた先輩のお宅でアメリカ人作家、レオナルド・ウェーバーさんのヨコナガ作品が飾られていたのを観て一目で気に入り、自分でも描きたくなりました。

Q:ヨコナガの何に惹かれたのですか?
A:普通のキャンバスよりも広がりを表現できると思い、描き始めました。

Q:確かレオナルドさんの絵はテーマの場所を決め、その土地の風景や特徴ある有名な建造物を捉えて1枚に描いていますが、原さんの絵はリアルな世界をイメージ的に描いていますが、何を対象に選んでいるのですか?
A:描く内容に関しては、俳優であり好きな画家でもある榎木孝明さんの軽やかな水彩画が以前からとても好きで、その影響を受けていると思います。それに加えて私は広い世界を表現したいので、横浜のみなとみらいの風景や北海道の美瑛、トルコやニューカレドニアなど、誰が観ても「気持ちがいいな」と心が癒され、清々しい気持ちになれる対象を描いています。

個展会場のマールツァイト

Q:ヨコナガは、どんな風に描くのですか?
A:基本的には自分で撮ってきた写真をiPad上に映し出して描きます。ただ、それだと条件が限られてくるので、友人知人が海外で撮ってきた写真を許可をもらったうえで題材にし、自分もイメージを膨らませながら描きます。ただ、コロナ禍の影響で皆が旅から遠のいてしまったので、最近はインスタグラムやFacebookからイメージに合った写真を見つけて、やはり作者から了承を得て描いています。

Q:皆、快く許可してくれますか?
A:知らない方がほとんどですが、たいていは問題ありません。しかし、たまに変わった方がいて、何らかの条件が加わる場合は諦めます。あと静止画だけでなく、動画からイメージをもらって描くことのあります。最近では与論島の海亀を描かせてもらいましたが、おいしいとこどりだと思います(笑)。

Q:できあがった作品をイメージの提供者に観せたときの反応はいかがですか?
A:ほとんどの方に喜んでいただけるので、それも嬉しいです。

作品を持って

Q:ヨコナガを描いていて手応えを感じるときは?
A:元々パノラマ的な写真を題材にすることは少なく、場合によってはタテ写真だったりすることがあります。そうした時、想像以上に広さを表現できたときは「やった!」っていう気になります。ただ、どうしてもヨコナガにできない場合もあり、その時は普通にA4サイズなどで描きます。

Q:画材は何を使っていますか?
A:最初の頃はベニアにケント紙を水張りして描いていましたが、最近はシナベニアに下地材のジェッソを塗り、そのうえにアクリル絵具で描いています。

Q:そうか既成サイズじゃないから、描く以前の画材段階から試行錯誤が必要になるんですね。
A:そのぶん自由ですよ。だから、勝手に自分でサイズを決めて「H-20号」とかいって使っています。

絵具

Q:なぜ「H」なのですか?
A:原のHと、好きなホライズン(horizon=水平線)からです。

Q:好きな色は?
A:やっぱり青ですね。好きな海や空を表現するために必要だし、人が癒される色だと思うからです。次いで、赤とか黄かな…

Q:個展でのテーマ設定はどうしているのですか?
A:ある方からのアドバイスで、昨年から個展をする際は、しっかりテーマ設定をすることにしました。そうすることで自分自身の思いも定まるし、観ていただく方との間に少しは共通意識が生まれる気がします。

原雅彦さん

Q:展示に使用する額も手作りだとか?
A:最初にヨコナガを描いた時に額を特注したら、かなり高額だったので、2015年頃から知り合いに、そうしたことが得意な方がいたので、教えてもらいながら作りました。最近では額だけのオーダーが来るようになりました。

Q:さて、最後の質問です。これまでにタテナガで描いたことはありますか?
A:これまで1回だけ小さなサイズで富士山を描いたことはありました。でも、私好みの広がりのある風景がとして決まらなかったので、以後がタテナガでは描いていません。やはり私はヨコナガです(笑)。

Q:今日はありがとうございました。

 

終わり

取材日:2021年8月17日
*撮影時のみマスクを外しました。

(構成・撮影 関 幸貴)

 
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