Story : 詩と作品
連載38回 時は刻む…
time
あなたは暇な時何をしますか?
そんな時「音楽を聴く」と答えたことがある。
今日、友人が電車に乗って訪ねてくるという。
でもまだ電車に乗っている。
いつものようの音楽を聴いて待つ。
あ、これはあの時あそこで聴いたメロディー。
奴も今ごろあそこのあたりだろうか?
メロディーは時を刻むように鳴りつづける。
しかしすぐに終わってしまった。
しばしやって来る友人を忘れ
「次はどれにしようか?」と悩む。
この曲は奴と聴いたな?
また時間は過去に戻ったが、
「もう一度ここでこの曲を一緒に聴こう」
と、近い未来が想像される。
なんだか待ち遠しくなってきたが、
例の曲はすぐ終わってしまった。
こんな時間がわずかの間繰り返される。
待ち遠しく思う時間があれば、
すぐに終わってしまう時間もある。
そう思っている間にも、
腕の時計は普遍的な時間を淡々と刻んでいた。
「time」
宮島永太良