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大野愛さんインタビュー!

 

大野愛さん
 

◎大野愛(おおのめぐみ)さんプロフィール

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画家。
1988年8月12日神奈川県横浜市生まれ、獅子座、A型。
早稲田大学文学部美術史コース卒業。
卒業後、作品制作に励み、個展、グループ展等で発表。


大野愛 Oil Painting - Facebook ►
MEGUMI OHNO Illustration ►

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大野愛さん、絵との関わりを語る…

宮島永太良通信編集部(以下 Q):今日はよろしくお願いします。  まず、大野さんの幼い頃の夢を教えてください。
大野愛さん(以下A):夢、いっぱいありました。  祖父が船乗りだったので船にも憧れていました。  それから、牛や馬など動物全般が大好きだったので牧場経営をしたかったし、中学校3年生までは獣医さんを志望、絵描きになろうとは、思ってもいませんでした。

Q :意外。  では、絵との出会いは?
A :ただ、絵との出会いは覚えていないくらい昔です。  今の私からは想像できないと思いますが、生まれつき体が弱く、幼稚園まで入退院を繰り返し、外では遊べませんでした。  だから、家で絵を描いて過ごすのが日常だったので、絵は自然に私の一部になった様です。


大野愛さん

Q :その頃は何を描いていましたか?
A :ちょうど「セーラームーン」が流行っていたので、部屋の中にはグッズがたくさんあり、ひたすらセーラームーンを描いていました(笑)。

Q :絵は、なくてはならない存在だったのですね。
A :そうです。  気が付いたら描いました。  小学校の時もずっと描いていて、絵とはいつも一緒。  でも、魅力を実感したのは、美術部に入った横浜市立港中学校時代でした。

Q :何があったのですか?
A :顧問の先生がかなり熱血で、例えば、盆休み以外夏休みはほとんど毎日、朝から晩まで部活でした。  それで、お昼ご飯は家庭科室を使い、部員持ち回りで自炊。  女性の先生だったのですが、たまたま私が入った年に部員が増え、熱血度もさらにアップした感じ。 「美術には体力が必要だ」と言われ、何故か外周をランニングされられたのも良い思い出です。

Q :芸術系と言うより体育会系みたいで、かなり健康的ですね。
A :そう、楽しかったです。  だから、今でも当時のメンバーと一緒に先生のお宅に遊びに行きます。

Q :素敵なお話ですが、絵との関係性はどうでしたか?
A :小学校から中学校にかけては、よく絵で賞をいただきました。  でも、技術重視の高校時代はそうならず、毎年、神奈川県民ホールで行われる「神奈川県高校美術展」にも出しましたが、何も引っかからず、生まれて初めて絵で挫折を味わいました。  今思えば、私自身が感性から技術へのシフトチェンジのタイミングを理解していなかったのでしょう。

Q :それで早稲田大学に進学?
A :本当は美術系に進みたかったけれど、親の出した美大への条件をクリアーできなかったのと高校の推薦もあったので、早稲田大学文学部に進学。  それで、大学2年生のコース分けの時に「美術史」を選びました。

Q :その頃も描いていましたか?
A :1年生の時は大学の美術系サークルに入っていましたが、「これではダメ」と思い、2年生からは日の出町の絵画教室に通い始めました。

大野愛さん作品

Q :絵への思いは続いていたのですね。
A :「趣味で続けられれば良いかな…」位の気持ちでしたが、心の隅に、絵に対してモヤモヤした気持ちが残っていたのは事実。  だからこそ、絵に関係した美術史コースを選び、将来的には学芸員を目指し、4年生の途中まで大学院へ進むつもりでした。  でも、当時、私がアルバイトをしていた山下公園近くのカフェG+には、それまで見たこともない俳優や一流のバーテンや自分のお店を持つ夢を追いかけている様々な熱いメンバーがたくさんいて、衝撃的な「彼らの覚悟」が知らぬ間に私にも伝わった様です。  加えて、4年生の夏休み前、G+の方から、「愛ちゃん、渋谷のとあるカフェで個展をしないか」とお誘いをもらい、喜んで了解したのですが、いろいろあり頓挫してしまいました。  それが自分の中ですごく消化不良になっていると、少し経ってから気づき、「私は企画して展示をする学芸員ではなく、本当は自分自身が描きたいのだ」と初めて自覚しました。  そして、親にもその気持ちを伝えました。

Q :夢多きメンバー、個展の頓挫。  かなり刺激的な経験でしたが、結局はご自分の進むべき道を見つけた訳ですね。  ご両親には、どう伝えたのですか?
A :夏休みの終わり、「大学院進学をやめ、画家になります」と伝えたら、当初、母は大反対でした。  でも、いつもはあまり会話をしない父が、「やってみろ!」の一言。  一人っ子であるにもかかわらず生まれてから、あまり強く意思表示をしなかった私が、父に初めて本気の姿を見せたのが、ポイントだった様です。  銀行員の母にしてみれば、娘にもスタンダードに「就職から結婚」と言う人生を歩んで欲しかっただと思います。  でも、2013年4月に元町のLaunch Pad cafe & galleryで行った個展を見てくれた時にやっと納得してくれ、今は心から応援をしてくれています(笑)。

Q :まだ、最近のお話ですね。
A :はい、画家になると言ってはみたものの、どうやれば良いのか分からず、とりあえず描き、知り合いからの注文を受けていました。

Q :では、現在は絵だけで活動を?
A :そうです。個展や注文がある時は、それに向かって描ますが、それ以外に用がない時も、毎日8〜10時間描いています。  やはり絵が好きです。

Q :えっ、そんなに長い時間!  で、暮らしはいかがですか?
A :描くのは好きだから大丈夫ですが、画家は色々大変。  個展も結果が見えて開ける訳ではありませんからね。  でも、去年から日本画の先生に習い始め、美大出身者ではない私が、絵だけでなく関連した世界を学べる様になったのは、良かったです。

Q :お話をたくさん聞かせていただきましたが、いよいよ最後の質問です。  将来の夢を教えてください。
A :美術館で個展を開くとかは考えていません。  私は音楽が好きなので、多くの方々に音楽を聴く様に、気軽に見ていただける作品を描き、絵に親しんでいただければ嬉しいです。

・今日はありがとうございました。


大野愛さんと作品

 

大野愛さん個展情報 etc
11月15日(日) 初ワークショップ「ミニ屏風を作る」
12月10日(火)〜13日(日) グループ展「imagine〜あした〜」
12月15日(火)-27日(日) 個展「おのがゐる」
会場は全てgallery fu(石川町):http://galleryfu.com ►

(文・写真 関 幸貴)
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