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遠峰あこさんインタビュー最終回


遠峰あこさんと宮島

◎遠峰あこ(とおみねあこ)さん プロフィール

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横浜生まれ 横浜育ち 唄うアコーディオン弾き
日本古来の民謡を現代風にアレンジ、
今の時代を唄う新しい民謡を作り、アコーディオンで弾き語る。

日本民謡を愛し、唄い継ぎながら新しい自主制作民謡を手がけ、
100年後200年後、未来の日本でも歌い継がれている唄を思い日々活動。

大道芸、祭などのイベント、ライブハウスでの演奏、
小学校、老人ホームでの唄会、落語会の色物、
野毛の居酒屋流しまで、様々な場面で活動中。

2006年フルアルバム「夢見る機械の娘」発売。
2009年ミニアルバム「横濱ほーらい節」発売。
2009年寿町応援CD「寿町応援唄2009」発売、
 売上の全てを寿町の炊き出しに寄付。
2012年ライブCD「遠峰あこと爛漫社中ライブ」発売。
2008.3.16 野毛山節コンテスト 優秀賞受賞!
2010.6.28 音の響 邦楽コンテスト 横濱ほーらい節 優秀賞受賞!
 

宮島永太良からのお願いふたつ!

 

遠峰あこさんへのインタビュー Q&A

宮島永太良(以後・M):
中にはワザと暗いモノとを見せたがっている人もいる気がします。  以前、あこさんと同じ舞台でそんな雰囲気を漂わせている方を見ました。  名まえが出て来ませんが、髪の長い男性でした。
遠峰あこさん(以後・A):
*純さんかな…。

遠峰あこさんと宮島永太良

M :そう、純さんです!   あの時は舞台で、あこさんが『陽』、自分は『陰』と、言っていたのが印象に残っています。  そのうえ、中性的でどこか仄暗いイメージを放っていました。
A :でも、素敵ですよね♪   純さんは、元々は私同様ミュージシャン。  私が落語家さんに誘われて舞台でご一緒する様に、あの何とも言えない独特の空気感が芸人さんたちに受け、『一緒にやらない!』って誘われ、今では何故かバラエティー番組『レッドカーペット』や浅草の演芸場『東洋館』にまで出演。  そして、宮島さんがご覧になった様に私も純さんと同じ舞台に立ちますし、一緒に慰問で老人ホームへも行きますよ。

M :そうですか、想像外のお話に驚きました。  人の存在価値って周囲の人々の影響で随分変わりものですね。  加えて、あこさんがライブ以外に慰問等の活動をしているのも初めて知りました。
A :実は、明日も落語家の立川こしら師匠と一緒に小学校へ行きます。

M :その時はどんなテーマで、何をするのですか?
A :体育館や講堂に高座を作っていただき、『落語の伝統芸術鑑賞会』みたいな感じで行ない、こしら師匠は落語を子どもたちに聴かせ、小噺講座と銘打って子どもたちを高座に上げて小噺をやらせたりします。  どんどんアドリブを入れてくる子がいたりして、ものすごーく盛り上がります。  私は民謡などを演奏してみんなで唄ったり、アコーディオンで出囃子や小噺の効果音を弾いたりします。

遠峰あこさん

M :そう言えば、あこさんはこしらさんから落語を習っているとか、動機は?
A :何と説明していいのか分かりませんが、最初にこしら師匠の噺を聞いた時、他の落語家さんとは違うインスピレーションを感じ、『あぁ、このスタイルもありなんだ』と思い、とても惹かれたからです。

M :立川流ですから、上納金制度があったのですか?
A :本当の弟子入りはしていません(笑)。  私の場合は、こしら師匠がチラシを作る仕事などもされているので、師匠の手が回らない時、私が『昔取った杵柄』的に地図制作等のお手伝いをして、そのギャラ代わりに落語を教えてもらっています。  なんだか物々交換みたいですね(笑)。

M :話が前後するかもしれませんが、立川志の輔さんとも、昔からご縁があるとか?
A :最初に落語って面白いなと実感したのが、『志の輔師匠の会』でした。  でも、そんなに昔ではなく、会に出る様になったのは約3年前だと思います。  それまでも落語に接していましたが、いつも裏で動いていて余裕がなく、初めて舞台の袖で、しっかり聞けたのが、木村万里さん主催 / 成城ホールで行われた志の輔師匠の噺でした。  何度見ても、『座布団しかないのに人を色んな所に連れて行き、そこで楽しくさせたり、泣かせたりして何でもできちゃう落語はなんて凄い芸だろう』と思い、あれから真剣に落語に触れる機会が多くなりました。

M :今春、その志の輔さんと一緒に東南アジアを回られたとか?
A :昨年暮れに誘われ、今年3月初旬にバンコクで1回、シンガポールで2回、志の輔師匠をはじめ落語家さんたちと一緒に舞台を務めさせてもらいました。  お客様はほぼ全員が在留邦人の方々で最初から笑顔で迎えてもらい、短期間でしたが、それぞれのお国柄も垣間見え、良い経験をさせていただきました。

横浜

M :民謡を唄うようになってからのあこさんは、良縁を繋ぎ表現の場を広げているのが分かります。
A :本当ですね。  これまで縁を繋いでくれた方々に心から感謝です。

M :人に縁ありです。  それでと言うワケではありませんが、私から、あこさんにお願いがあります。  以前、ジャズの曲『fly me to the moon』等をテーマに私が作品制作、新宿のジャズスポット『J』で発表をしたことがあります。  その流れと言うか、あこさんの唄『横浜ホーライ節』等をテーマに1曲1枚の感じで絵にできたらと考えているのですが、どうでしょう?
A :素敵なアイデアですね。  是非、進めていただければと思います。

M :ワガママついでにお願いがもうひとつ。  実は私、作詞作曲もします。  それで、何時か、あこさんに唄ってもらうために曲作りたいと願っているのですが!
A :それも面白い、是非是非!

M :良かった(笑)。  あと、ひとつだけ教えてもらいたいことがあります。  舞台で唄っていて、どんな時に気分が良くなりますか?
A :唄も最初の頃は、練習して一所懸命。  そして、段々にそれを乗り越える時が来ます。  そうすると唄うのも演奏することも普通になりますが、時として違う視点から、舞台上の私自身も含めて会場全体が客観的に見えることがあります。  少し変な感じですが、そうした時は良いライブになりますね。  でも、それだけではなく、既にお話しましたが、私は何時でもお客様に喜んでいただければと、思いながら唄っています。

M :最後の質問です。  今後の展望をお聞かせください。
A :行っていない所をはじめ日本中を回ってみたいし、外国へも行き、色んな人に会って、唄を聴いてもらいたい。  あと、私が師匠から教わった唄い方は、本来の民謡とは違うショー的なスタイル。  だから、年代を問わず聴く側にすれば受け入れやすく、そこから若い世代が親しみを持ち、民謡を聴き始めてくれれば嬉しいです。

M :興味深いあこさんとのお話はまだまだ尽きませんが、今日はこれで終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました

*純さん ミュージシャン名:田渕純 お笑い名:タブレット純

遠峰あこさんのライブのお知らせ

遠峰あこ 〜薮伊豆唄の会〜space
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○ 10月2日(水)
「遠峰あこの90分」
会場:
道楽亭 Ryu’s Bar 
    東京都新宿区新宿2丁目14-5 坂上ビル1F
電話:03-3661-0962
開場:19時 開演:19時30分
料金:前売2,000円 当日2,300円
予約:http://www.ryus-dourakutei.com ►
または、03-6457-8366   定員50名

○ 10月12日(土)
遠峰あこ 〜薮伊豆唄の会〜
会場:
日本橋 薮伊豆総本店 
    東京都中央区日本橋3-15-7
電話:03-3242-1240
昼12時〜13時のお電話ご遠慮をお願いいたします。
開場:14時30分 開演:15時
料金:3,000円  (終演後お食事付)


(文・写真 関 幸貴)
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