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パリ初個展を終えた宮島永太良にインタビュー!

 

宮島永太良さんへのインタビュー Q&A

 
個展のサインボード

編集部(以下Q):
パリでの初個展無事終了、おめでとうございました。 
ところで、現地にはどれくらい滞在されたのですか?

宮島永太良(以下A):
ありがとうございます。 
パリには10月17日から個展最終日の24日までいて、その夜の便で帰国の途につきました。

アートスペース ギャラリー1階

Q :滞在期間中の現地の天気、雰囲気はいかがでした?
A :日本の同時季よりは寒かったけれど、思っていたほどではありませんでした。 時折、強い雨にもあい、今回のパリで雪以外は全てを経験、全般的に街はとても良い雰囲気でした(笑)。

Q :本題に入ります。 今回は何点の作品を展示したのですか?
A :個展会場のアートスペースギャラリーは1階と地下で構成。  原画と版画、絵本『マルタの冒険』の原画、全17点を一つと数えて36点、そのうち8点は外光も入る1階に展示、良い感じでした。  ただし、地下の作品は多過ぎた感があり、もう一工夫が必要でした。 展示方法は今後も重要課題です。

Q :会期5日間の来場者数はどれくらいでしたか?
A :20日夜のオープニングパーティには、約200名。 会期全体では約450名。 たくさんの方々に私の作品を見ていただくことができ幸いでした。

オープニングパーティ   オープニングパーティで

オープニングパーティ   宮島永太良

Q :来場者を国別で見ると?
A :たくさんの在仏の日本の方も遊びに来てくれました。  それから、国籍までは分かりませんが、ギャラリー自体がイギリス系で、その関係の方も多く半分以上がヨーロッパ系のお客様でした。  女性が多かった様に思います。

Q :個展に対する現地の反響はいかがでしたか?
A :帰国して同じ様な質問を受けるのですが、実を言えば、反響が今ひとつ分からず、現時点では何とも言えません。  今回は、これまでの私の作品を見ていただいた感じです。

個展会場

Q :では、お芝居で言えば、まだ幕が上がったところですか?
A :そうです。  だから、パリの反響が分かるまでに時間がかかるのかもしれません。  現地情報が私に届いたら、改めてお話をしたいと思います。  ただし、日本からの同行者の話には興味をそそられました。

Q :どんな内容ですか?
A :オープニングパーティの時ですが、さり気なく外国の方を観察していたら、多くの方々が、飲みながら食べながら作品を見て『色鮮やか』、『可愛い!』と、感想を語りながら、個展を楽しんでいたそうです。  その中には、誰の知り合いではない方もいたとか…。

Q :見方によれば、良い反応では?
A :そうですね。  日本でオープニングと言えば、知り合いしか来ませんし、作品や展示物をきちんと見て、楽しむ人が少ないかもしれませんね。  だから、国民性かもしれませんが、パリの人は絵をはじめとした芸術作品を鑑賞する姿勢が素晴らしいと思いました。

Q :やはり、それは宮島作品へ好感度が高かったと思います。
A :そうですか(笑)。 確かにパリでも日本と異なった評価ではなく、私のある作品に対して『派手!』と表現されるのではなく、日本と同じ様に『鮮やかな色の作品』と言われたのは、嬉しかったです。

絵本『マルタの冒険』の原画展示コーナー

Q :ご自身が、直接触れたエピソードがあればお願いします?
A :ある日、絵本『マルタの冒険』の原画を展示したコーナーを年配のフランス人女性が熱心に見入っていました。  そのうちにギャラリーを出て行ったので、『帰ったのだろう』と思っていたら…、ここまではギャラリーの方から聞いたお話、ここからは私の目撃談です(笑)。  しばらくして孫と思われる女の子の手を引いて再訪。  何と、ふたりで『マルタの冒険』の前に立ち、おばあさんが物語を読み聞かせているのです。  どうしても孫にマルタを見せたかった様でした。  今もあのふたりの素敵な笑顔を忘れることはできません。また別の日、これもマルタ絡みでした。  突然、学校の先生風の方から非売品の原画を譲って欲しいと言われました。  しかし、状況的に断るしかありません。  その方は残念そうに帰って行かれましたが、作者として、このふたつの出来事に立ち会えたのは大変光栄なことだったと思っています。

Q :お話を伺っていると、海を越え、パリでマルタが受け入れられたシーンが目に浮かび、こちらもほのぼのとした気分になります。
A :表現に国境は関係ないのかもしれません。 そんなことも肌で感じました。

『ゼロからの出発』

Q :最後の質問です。 パリ個展を終えた感想と展望をお聞かせ下さい。
A :個展会場を外から見たら、間違いなくフランスのパリなのですが、不思議なことに中に入ると、日本でやっているのと同じ感覚で違和感は全くありませんでした。  だから、緊張することなく会期を終えることができました。  これは、私の個展に関わってくれた皆様のお陰だと思います。  本当に感謝です。  そして、まだはっきりと決めたわけではありませんが、こうした足がかりができたので、将来的に機会を見てパリでもう一度個展を是非開きたいですね。  私にとってパリは、それぐらい魅力的な街です。

今日はありがとうございました。

(インタビューと文 関 幸貴)

 
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