☆ 名言迷路 卍 迷言名路 ☆ 特別編 文と写真 宮島永太良
〇 東日本大震災被災地、宮城県を訪ねて考えたこと…
東日本大震災の被災者に向けたマルタ募金では、本当に多くの方々にご協力いただき感謝。 11月1日の時点で約36万円以上が集まっている。 また、8月6日の「井上あずみファミリーコンサート」では、地震と原発の被災地となっている福島県双葉町に在住していた方々を招待させていただいた。 このように私も含め、今年の日本は被災地への思いなくしては考えてられない。
そんな中、震災からまもなく8ヶ月を迎える11月9日、被災地となった宮城県の岩沼市から、名取市、仙台市を訪ねた。 このあたりの海沿いも、最も津波の被害を受けた場所である。 まず、行って驚いたのは、復興が本当に早いことであった。
少なくとも仙台市街を中心とした都市部は、あれだけの大地震による破壊の気配も見えない。 現地の人、日本各地から協力に来た人たちの並々ならぬ努力を感じ取らずにいられない。 また地震直後、仙台空港も、津波で機能がストップしたことは記憶に新しいが、その空港も既に飛行機が発着できるようになり、震災の跡はほとんど感じられない。 そんな空港のビル内に、日本各地から集められた支援の色紙と、千羽鶴が展示されていたのは印象深かった。
ただ、津波の到達した海沿いの地域には、未だに爪痕が残ったままとなっている。 名取市の仙台空港より海側の村落は、津波ですっかり何もなくなってしまっていた。 その場所の地図には、お寺なり神社なり、また美容院や美術館などの名前と建造物の図があるのだが、実際には何も無いのだ。
たまに一軒、二軒、流されずに残った家が遠くからもわかるように建ってはいるが、そのほとんどが破壊され、住むことなどできない状態だ。 ほんの数ヶ月前までは、この場所も瓦礫の山だったと、が想像つく。 その意味でも撤去作業は本当に速かったのだと思う。再度、現地の人、他から協力に来た人たちの努力のあとを感じる。
しかし、復興はまだ遠い状態であるのは間違いない。 数人の高齢者のグループが、お寺があったと推測される所(墓石が少しだけ残っていた)に集まっていたが、彼らは毎日少しずつ復興を試みているようだ。
だが、現地に来てみると絶望感が直に迫ってくる。 ここで多くの人が何の準備もないまま突然波に流され、亡くなってしまっていったことを考えると、身につまされる思いがしてならない。 本当に、犠牲になった方々の冥福を祈りたい気持ちで一杯になる。
ただ、言葉にするのは難しいが、被災地となった場所は大変素晴らしい所だった。 晴れていたこともあり、澄んだ空と柔らかな雲が、なんとも言えぬ安らかな景色を作りだしていた。 その光景に包まれているだけで、明るい未来を感じさせてくれる、そんな感じがした。 この地からは大変良い「気」が発しているように思えたのだ。 小さな花も雑草をかき分けて力強く咲いていた。 雑草も、その命を忘れることなく伸び続けていた。 この素晴らしい自然がある限り、また住民、来訪者の確固たる希望がある限り、間違いなく町は再生するだろう。 日本人として、この震災での教訓を無駄にすることなく、未来の発展につなげて行けることを支援したい。 そして今回、また大好きな場所が一つ増えた。
宮島永太良