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Friendsには、ジャンルを問わず宮島永太良の友人知人が登場!
毎回、親しい視線と言葉で宮島の実像に迫ります。

2〜3月は、カルチャー・クリエーター月森砂名さんの登場です。
今号では、これまでの月森さんの活動についてお聞きしました!

月森さんの作品

月森砂名さん

◎月森砂名(つきもりさな)さんプロフィール

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奈良県奈良市出身。
6月5日生まれ、双子座、O型。
同志社大学文学部文化学科国文学専攻 卒業。
現在は、プロデューサー、フォトグラファー、
作家としてマルチな才能を発揮。
また、日本の未来を考え芸術全般を用いて創意工夫、
国内の地域文化を次代に残すために
日々邁進するカルチャー・クリエーターでもある。

『NPO法人レイヤーボックス』理事長。

月森砂名さんホームページ:http://www.k5.dion.ne.jp/~sana_55/

 

月森さんの活動についてお聞きしました!

月森砂名さん

編集部(以下Q):現在に至るまでのお仕事について教えてください。
月森砂名さん(以下A):大学卒業後、京都にある七宝焼の会社に入りました。 七宝焼は1年目から作れるようになります。ウサギの可愛いアクセサリーも作りました(笑)。 そこでの私の仕事は、新商品の企画開発から商品化して販売方法を考えルートに乗せるまで、業務全般を担うプロデューサー的な役割でした。

Q:務めた期間は?
A:4年間です。

月森砂名さん

Q:何故、辞めたのですか?
A:3歳頃から絵を描くのが好きで、一時は美大を志したこともありました。 また、大学時代はクラブ活動でイラストを描き、仲間と映画撮影もしていました。そう、いつも私の身近にはアートがあり、そうした文化的状況に浸るのが心地良く、それを仕事でも感じるために七宝焼の会社に入ったとも言えます。 しかし、4年を経た時点で一定程度の達成感が生じ、区切りをつけることを選びました。
 
Q:そして、次の進路は?

A:転身したのは、年齢がわかるかもしれませんが、日本でも一般の会社にコンピューターが普及し始めた頃で、独立して自営業を考えていた私にとってパソコンは魅力的でした。 そこで、当時は好条件でビジネスが成立していたマーケティングの世界にパソコンを活用して参入。 全くの畑違いでしたが、10年間続けました。また、個人的には結婚と離婚を経験しました。

月森砂名さん 月森砂名さん

Q:結婚、そして離婚ですか?
A:そうです。そして、新たな展開と出会いを求めて上京を決めました。

Q:大変な決断でしたが、東京での経済的な基盤はどうしたのですか?
A:上京後もしばらくは派遣会社を通して、マーケティングリサーチに関する仕事などを続けました。 でも、気持ち的には、もう一度クリエイティブな仕事をしたかったので、昔から好きで撮影していた写真、それもライティングを中心に勉強し直しました。

月森砂名さん

Q:それから状況に変化はありましたか?
A:考えてもいないことが起きました。 SNSで写真好きの男優さんと知り合い、意気投合。彼に『本当は自分で自分の舞台を撮りたいけれど、それは無理な話(笑)。 だから貴方に撮影を…』と乞われ、当初は勉強の意味もあり無報酬で撮っていたら、どんどん知り合いが増えました。 加えて撮影したデジタル写真をパソコンですぐに加工してチラシやホームページに活用できる腕も見込まれ、いつしか仕事になっていました。 しかし、舞台撮影の仕事は、それほど多くはありません。 だから、必然的に舞台周辺の仕事もする制作会社常勤の外部スタッフとなり、プロデューサーも担うことになりました。

Q:それは、劇的な動きでしたね。お聞きしていると、七宝焼・マーケティング時代の経験も生き、『縁』で次の扉を開けた感があります。で、それ以降の活動は?
A:色々な舞台に携わりました。 2007年に宣伝プロデューサーとして市川猿之助さんの舞台に関わり、写真撮影・広報宣伝に加えてホームページの立ち上げ等、色々行いましたが、いつでも忙しい現場です。

月森砂名さん

Q:並行していたフォトグラファー・作家として活動は?
A:猿之助さんの舞台が終わった頃、舞踏家・相良ゆみさんと花をモチーフに作品制作を行い、個展やグループ展を数々行いました。 作家としても、小説と写真の作品を出版社と契約、また、小説+写真+お願いした音楽で構成した作品を電子書籍として販売しています。

Q:直近では、どのような活動を?
A:色々な経験を積んだお陰で、私のベースである奈良、そこで昨年行われた歴史的イベント『平城遷都1300年祭』に参加、2010年10月30日に奈良県文化会館国際ホールで行った『祝祭祀あをによし』のゼネラルプロデューサーを務めました。

月森砂名さん

Q:『祝祭祀あをによし』の内容を教えてください。
A:『あをによし』を発案・企画しました。実現のために2年間を費やし、NPO法人も立ち上げました。 内容を言葉だけで伝えるのは大変難しいですが、日本の『能』、『舞太鼓』、中国の『昆曲』の伝統的な舞台を中国人アーチスト金大偉さんが、コンテンポラリーな映像・空間構成を駆使して総合演出。 当日の舞台の印象は、『日本と中国』『奈良と唐』…、時を越えた異空間が見事に構築され、とても幽玄で華麗な世界を感じさせてくれました。 とにかく奈良出身の私としては、歴史的一大イベントにプロデューサーとして参加できたのは、有意義でとても嬉しかったです。

月森砂名さん

Q:今日、最後の質問です。プロデューサー、フォトグラファー、作家と芸術分野で活躍されている月森さんにとっての目指す作品とは?
A:伝統的な文化資産に心奪われます。 現代的な舞台、絵画、写真、小説等の表現にも魅力を感じています。 でもそれだけでなく、古いモノと新しいモノの個性を活かして、各表現それぞれが持つ素晴らしい要素をひとつひとつブロックの様に慎重、かつ斬新に組み合わせ、その上に新たな時代のエッセンスを加えた作品ができれば、有形無形を問わず私としては本望です。

月森砂名さん作品

Q:現時点では『あをによし』が、その代表作になりますか?
A:そうです。

今日はありがとうございました。 
次号は、新しいプロジェクトのお話からお願いいたします。


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