TOPTalk : 対談

横浜万国橋近くのスタジオで藤間久子さんに写真との関わりを語っていただきました…

藤間久子さん


◇藤間久子(ふじまひさこ)さんプロフィール
フォトグラファー
(株)アマノスタジオ所属
JPS(日本写真家協会)所属
岡山県新見市生まれ
日本ジャーナリスト専門学校卒業
アマノスタジオHP https://www.amano-studio.co.jp/
https://www.facebook.com/profile.php?id=100009731647697

 

藤間久子さん写真生活を語る! 前編

藤間久子さん


月刊宮島永太良通信編集部
(以後Q):今日はよろしくお願いします。最初の質問です。藤間さんは、いつ頃から写真を生業にされていますか?
藤間久子さん(以後A):専門学校を卒業してすぐに写真の道に入ったわけではなく、一度違う業種に就職したので、写真の仕事に関わり始めたのは今から約20年前です。

Q:最初の就職先は?
A:出版関係で電算写植の会社にオペレーターとして入り、印刷の一歩手前までの仕事、いわゆる組版をしていました。

Q:そこにはどれくらいお勤めしていたのですか?
A:パソコンのMacが印刷出版界にも台頭、電算写植の需要が落ち込んだ頃までです。その間、勤務時間は長く大変でしたが、私は本が好きなので、出版される前に著名作家の生原稿をを読むことができたのは嬉しかったです。

藤間久子さん

Q:それが、どんな縁で写真の道に?
A:若い頃から私はアートや写真に興味があり、就職してから休日にはコンパクトカメラで植物や風景など、好きな被写体を気ままに撮影していました。当時はフィルムカメラでしたが、5年ぐらい撮り続けているうちに、コンパクトでは空とか雲とか自然の色が私の思う様に出ないので、周囲のアドバイスもあり一眼レフカメラを購入。それから、マニュアルでも撮影する様になりました。

Q:写真の勉強はどうしましたか?
A:私、理科系が弱いので、撮影入門書とかアサヒカメラなどの写真雑誌を買って参考にしながら、ずっと自己流で撮影していました。

Q:そうしたアマチュアの世界にいた藤間さんが、どんなキッカケで写真のプロの道に進んだのですか?
A:働き始めて10年後、電算写植の世界も様々な社会的要因で傾き、勤務時間もより長くなり、その影響で私の体調も芳しくなかったので辞めることにし、退職後は2ヶ月間は遊ぼうと決めていました。そして、その間にアートや写真好きな私に合った次の道を探ろうと考えていました。そのタイミングで、友人からの誘いで、横浜の屋外イベントと連動した現在の師である森日出夫先生のスケールの大きな写真展を汽車道で観て、感銘を受けました。

Q:その縁で写真の道に?
A:思い返せばそうなります。友人の紹介で森先生にお会いしたとき、私が写真好きだったことも理解していただき、ちょうどスタジオが人手不足だったので、次の写真展の受付アルバイトを頼まれたのです。会社を辞めて1週間ぐらい、将来を考えると私自身が不安だったこともあり、好きな分野の方から頼られ、必要とされているのを強く実感。そこからのご縁で、横浜ジョイナスでの写真展が終わった後も撮影のアルバイトを頼まれる様になりました。

森日出夫先生と藤間久子さん

Q:その時点でスタジオに入ったわけではないのですね?
A:そうです。アルバイト的に最初は「明日空いてる?」とか、「何日と何日お願い!」みたいな感じで、当時は3人いたフォトグラファーの荷物持ちとアシストが主な仕事でした。

Q:では、藤間さんご自身が、仕事で撮り始めたのはいつ頃ですか?
A:手伝い始めて1年経った頃だったと思います。いきなり「明日、あそこへ行って撮ってきて」って言われ、私としては「ちょっと待ってよ!」って思いましたが、もう先生は決めていたので変更不可、撮りに行くしかありませんでした。かなり緊張して初仕事に臨みましたが、撮影内容は難しくはなかったのですが緊張でガチガチでした(笑)。

Q:では、藤間さんが一人前のフォトグラファーとして撮影に臨むのはいつ頃からでしたか?
A:現在と同じ様な撮影内容になったのは簡単な撮影を始めた約2年後です。

藤間久子さん

Q:現在は、どの様な撮影をしているのですか?
A:スタジオよりロケが多く、月刊誌、季刊誌「横濱」では料理もインタビューも撮っています。休刊した季刊誌「ジャパニスト」では山とか海、自然を紹介するページを任されていましたし、地元大学や病院の広報用撮影も長年行っています。ファッション系はなく、内容的には硬めです。

Q:撮影をする時には、どんな準備をして臨みますか?
A:撮影分野によって違いますが、人物インタビューを撮る場合は事前に取材対象者のホームページやSNSで顔を観て、どの角度や表情が良いかをサラッと考えます。そして、取材当日の撮影時には、文章とのリンクを考えてインタビューのテーマに沿った表情を撮る様に心掛けています。だから、私は連写はせず、欲しい表情が出るまでじっと待つことがよくあります。

Q:そうして撮った写真にどんな思いを込めていますか?
A:その写真を読者が観て、登場人物が持っている独自の雰囲気を感じてくれたら、私としては嬉しいです。やはり読者に伝えたい思いが強いです。

藤間久子さん

Q:撮影して手応えを感じるときは?
A:人物のときは、ほんのたまに撮影した方の個性や心の奥にあるものが撮れる瞬間があります。そんなときは最高です。

Q:風景は?
A:集中して撮っているとき、良い風が吹いたり、良いタイミングで自転車で子どもが走ってくれたり、想像もしなかった光景がファインダー内で展開することがあります。そんなときは迷わずシャッターを切ったあと、なんともいえず良い気持ちになります。すごくおこがましいけれど、写真の神様が私に微笑んでくれたのかなって想像しちゃいますよ(笑)。

Q:うまくいかなかったことは?
A:あります。特に人物撮影の場合、相手に飲まれたり、撮影に対する条件や縛りが多くて私の自由な気持ちに遠いときは苦戦します。また現実問題として、私のシャッターのタイミングと、撮影対象者の目つぶりのタイミングが合うことがあり、かなり大変な状況ですが、こうしたときはいつもより多めに撮る様にしています。

 

後編へ続く

取材日:2021年9月6日
*撮影時のみマスクを外しました。

(構成・撮影 関 幸貴)

 
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