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葛西臨海公園へ…

 今回宮島永太良が訪れたのは東京都江戸川区、京葉線沿いにあり、駅名にもなっている葛西臨海公園。 東京では最も東に位置する公園であり、川一つ隔てた西側には東京ディズニーリゾートが望める地である。 この葛西臨海公園のさらに沖合には葛西海浜公園もあるが、二つを総称して「葛西臨海公園」と呼んでも許されるだろう。

 そもそもは1972年から2004年までの葛西沖開発事業(埋め立て・開発事業)によって造られた、完全に近代型の公園である。 以前取材した日比谷公園とは性質が正反対なのが興味深い。 葛西臨海公園といえばまずあの大観覧車が目に入るが、園内に入ればいくつかのゾーンに分かれた構造をしている。

大観覧車 水族館

 京葉線・葛西臨海公園駅を降りると、海へ向かってまっすぐ「海へのプロムナード」と呼ばれるメインストリートが続いている。 途中の噴水の効果もあってか、これから楽園につれていってくれる道、といったちょっとしたロマンも感じそうだ。 この通りを途中左折すると、国内でも有数といわれる水族館がある。 円形ドームというユニークな建物も、辺りの景色に特徴を作り出している。 ドームをエスカレーターで下ると水族館スペースだが、ちょうど海の真上にあるからか、エスカレーターで海底に下って実息の魚たちを見るような気分になれて面白い。 この水族館では世界の魚が紹介されていて、各ブースが地球の縮図のようでダイナミック感がある。 必見なのは「アクアシアター」。 360度を囲む水槽の中にはクロマグロなど大型の魚が泳ぎ行く姿は圧巻である。

アクアシアター

 水族館エリアの隣には鳥類園ゾーンがあり、渡り鳥の休憩場所、またバードウォッチングも楽しむことができる。 淡水池と汽水池とがあり、鳥たちが水を得るのにも、十分な環境である。子供のころ、鳥の水浴びを見て「鳥もお風呂に入るのか」と思ったことはなかっただろうか?

パークトレイン

 「海へのプロムナード」を中央に、今度は右に行ってみる。 どこからでも見える「ダイヤと花の大観覧車」がある「芝生広場ゾーン」である。 近くに行ってはじめてわかるのだが、この観覧車の麓は日本庭園が続いていた。 近くのホテル「シーサイド江戸川」で結婚式などがあると、この日本庭園が撮影場所にもなっているようだ。 水仙も名物であり、公園全体で20万本が植えられているという。 毎年1月から2月頃には「水仙祭り」があるらしいので、これもぜひ見てみたい。

日本庭園

 ここをさらに奥(実際は海の方面に進んでいるのだが、植林の様子で奥のように感じる)に進むと、バーベキュー広場があり、平日も休日も、多くの家族連れやサークル、グループがバーベキューを楽しんでいる。 緑の中での飲食は最高だろう。 キャンプで食べるものがより美味しく感じるのは、マイナスイオンの恩恵だとも聞いたことがある。

 公園内を歩いていると、ベンチ等の座る場所が、また分別を含めてゴミ箱が多くあることにも気づく。 最近いろいろな公園を見て思うのだが、「座る場所がない」「ゴミを捨てる所がない」というのが大きな二つの不利点のように思う。 もちろん理由はあるだろう。 たやすく座る場所を作れば不審者が居座る、野宿する。ゴミ捨てがあれば危険物を入れられテロにつながる。 理由はわかるのだが、失くしてしまうことだけが解決なのだろうか。 これから高齢者も多数公園を訪れることが多くなることを考えれば、椅子やベンチがあって然りだろう。 もちろんトイレが多いのも嬉しい。 そうした点もこの公園はさりげなくカバーしているようだ。 これにプラス、バリアフリー等の要素も強化できたら最高だろう。 これからの新しい公園は、時代のニーズにも答えていけるのではないかと思った。

クリスタルビュー

 「海へのプロムナード」に戻り、それをまっすぐ進んだところに「汐風の広場ゾーン」というエリアがある。 象徴的なガラス張りの建物の頂点には、ヨットが海に浮いているように見える演出がされている。 また展望レストハウス「クリスタルビュー」があり、オーシャンビューを楽しみながらの食事ができるので、デートに最適だ。 そしてこの建物をくぐって行くと、広大な芝生が広がり、東京湾を一望できる。 宮島はここで、以前訪れたいろいろな場所を思い出した。 三浦半島の海、沖縄の海、房総半島の海と平原。 短時間で色々な場所を旅行した気持ちにさせてくれるのが嬉しい。

葛西渚橋

 このエリアの先端まで行くと、シンボリックな橋桁の葛西渚橋があり、そこを渡ると「葛西海浜公園」に入る。 海を間近に、こちらでもバーベキューなどが楽しめるが、一部は「環境保全ゾーン」として立ち入りが禁止されている場所もある。

 
東京ゲートブリッジ

 波の音と鳥の声がそっと響くこの公園は、都会にありながら、自然の恵みを思い出させてくれる。 そして海を間近に見ていると、思い出の場所も思い浮かんでくる。 仕事や生活の疲れから、心をリフレッシュしたいと思っている皆さんは多いと思うが、ぜひ足を運んでいただきたい場所の一つである。

葛西海浜公園
 

(文・写真 宮島永太良)

 
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