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伊豆大島へ

 「つれTAKEロード」、今回は宮島永太良にとってパワースポットの一つともなっている、伊豆大島をご紹介したい。

波浮港

 東京・日の出埠頭から東京湾フェリーを使って約2時間、到着したのは伊豆七島の中で一番本土に近い伊豆大島である。  ちなみに伊豆七島は、本土に近い順から大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島となり、今回、最初に到着したのは岡田港。  島の中では北に位置する港であり、ちょうど神奈川県方面を見る場所となる。

 この島での到着港は、その時々の天候や海の様子で変えられる。  この日も、日の出を出発する直前に到着港が伝えられ、島の方でも船の到着港が決まると、そこに向けて交通機関が一気に集中するというスタイルが興味深い。  大島にはこの岡田港の他に、島の中心ともいえる元町港、歌謡曲の詞でも有名な波浮港がある。  港を拠点とした移動が、島らしさを物語っている。

動物園で

 岡田港からバスで10分程行くと、大島公園がある。中でも代表的なのは動物園だ。  ここはなんと無料でありながら、広大な土地に哺乳類と鳥を中心に大変多くの動物が見られる。  カピバラ、フラミンゴ、ゾウガメ、ラクダ等が印象深かったが、特にゾウガメが数匹群れをなしている姿は圧巻であった。  また、島特有の植物や花も充実、日本にいながら南国のエキゾチックな気分を、味合わせてくれる。

波浮港岸壁

 島の南方には、歌でも有名な「波浮港」がある。  ここは漁業港としても機能しており、大島の中でも一味違った、ひっそりとした風景が見てとれる。  かつて「波浮の港」「アンコ椿は恋の花」等、ここが題材となった歌謡曲も多かった。

 波浮港をさらに南方に進むと、通称「バウムクーヘン」と呼ばれる巨大な地層が見えてくる。  これは約100層の地層が積み重なり、通称のようにイメージの模様を作り出している。  150年に一度と言われる大噴火によって形成されたものらしいが、道路沿いに延々600メートル以上続く姿には圧倒される。

通称「バウムクーヘン」

 宮島は小学生の頃、故郷の小田原から海の向こうにある大島を眺めるのが好きであった。 特に晴れの日、木々まで見えるかのようにくっきりと望めるのが楽しみだった。

 中学生の時、家族旅行で初めてこの大島を訪れたが、実際にやって来た島の印象は強烈に魅力的であり、帰っても何か月かは、大島にいた時の感覚や見た風景が何度もよみがえった。  それは、当時の勉強や趣味にやる気を与えるほどで、宮島にとっては相当なパワーのある場所だと言える。

道から見た木の茂み

 30年以上を経た今回、そうした大島の魅力が健在か分からずに来たが、そのパワーは全く衰えていなかった。  特に島を移動している最中に見る、道の両側の木の茂みは、初めて大島に来た時のことをはっきりと思い出させ、新たに生命力を与えられた気がしてならなかった。

 島の頂点ともいえる三原山は、今でも活火山の一つに数えられている。  それもそのはず。  大島といえば、今から32年前の1986年に起こった大噴火も忘れられない。  あの時はテレビで見る映像から、溶岩の流出(特に夜)が皆の恐怖心を誘ったが、被害者をほとんど出さずに避難できたことは、災害史上でも大きく評価されるだろう。

 宮島は初めて大島を訪れた時も、この三原山を火口まで登山した。  当時、それはそれはとても幻想的な山という印象だった。  昼なので星さえ出ていなかったが、それでも、まるで宇宙に向かって登って行くような感じがしたという。  また、その時直前に見た怪獣映画の影響だろうか、今にもゴジラが現れそうだ、という感想も持った。  いずれにせよ、現実の世界にいながらSFの世界に入り込めるような不思議な空間を感じたのであった。

防波堤

 この三原山火口の入口付近には、かつて火口茶屋というのがあった。宮島は以前そこで休憩した時、双眼鏡を忘れてきてしまったことがあるが、件の噴火の時、テレビでその火口茶屋が溶岩にのまれ全焼してしまった様子が映し出された。  すでに人は避難していたので被害者はなかったが、行ったことがある店なだけに、複雑な思いだったという。  もちろん双眼鏡も戻ってこない。

筆島

 この日の三原山は霧に覆われていて、噴火の様子をよく見ることはできなかったが、その霧の向こうに潜む噴煙を感じながら、さらに神秘を与えるこの山の偉大さを感じずにはいられなかった。  今も昔も変わらぬ三原山、そして大島のこの上ない神秘パワー。  宮島はまた近いうちに訪れたい、また力をもらいたいと願わずにはいられなかった。

(文・写真 宮島永太良)

 
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