Story : 詩と作品
連載39回 食べること…
giving
朝、昼、夜、そして間の食事。
どれもとれれば満足だが、
忙しければとれない時もある。
でもなんとかそれを避けたい。
それでは早く食べられるモノ、
早く食べさせてくれるお店へ急ぐ。
忙しい人たちが増えれば、
やがて食糧も急ピッチで必要になる。
やがて食べられるためだけに生まれた動物たちが現われた。
自然のしくみから大きくはずれた生態を持つ彼らは、
大地を見る間もないまま果て、人間たちの口に入っていく。
「彼らはどんな顔をしてたのだろう?」
「顔なんか知ってたら食べられないよ」
そう言う人間たちも、どこかしらの生態を汚していく。
食べることは楽しみだ。
でも、少し急ぎ過ぎたのかも。
動物や植物を食べることは、
命を頂戴すること。
そしてお腹の中で成仏させてあげること。
そんなことを聞いたことがある。
悲しいかもしれないけど、
身近に育った生き物の方が、
我々の食を安楽なものにしてくれるのかも。
「GIVING 3」
宮島永太良