Story : 詩と作品
連載36回 赤い鳥、青い鳥…
LOOK FOR THE STAR V
もうずいぶん長く飛んだ。
赤い鳥は、最大の力を出し切って飛んだが、
ついに青い鳥の姿は見えなくなってしまった。
「これで負けてしまっても悔いはないのかもしれない。
しかし、勝てるチャンスもあるはずだ」
しばらく飛んでいくと、
そのあたりでは珍しい公園があった。
公園に立つ緑の木々。
その枝の一つに、青い鳥がたたずんでいるではないか!
彼は一休みとばかりに、
気持ちよさそうに眠っている。
「チャンスだ!」
赤い鳥はいっきに速さを増して
再び勢いよく飛んだ。
「でも、相手が眠っている間に先に進むのは
本当にフェアーだろうか?」
そんな気持ちも心に過ぎるが、
勝利を手にするには、
もうそんなことは言っていられない。
その時どこかから声が。
「ゴールはもう間近だ!」
自分を応援してくれている者がどこかにいるのだ。
そう思った赤い鳥は、ラストスパートを目指す。
「LOOK FOR THE STAR V」
宮島永太良