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宮島永太良インタビュー:上海を振り返って

10月初旬、
中国・上海での春秋ふたつの個展を終えた宮島永太良が、
過ぎ去った日々を振り返り、今の気持ちを静かに語った… 

 宮島永太良

上海オペラハウス画廊

 まず、今の気持ちを素直に語れば、時の流れは本当に速いと感じました。 去年の今頃は、初めての海外、中国・上海での個展開催が決まり、春の上海美術館に向けての打合せや下準備で時間的に忙しかったし、春秋ふたつの個展が控えていると思うと気が重かったですね。 そして本番の4月を迎え、一万人を動員した春が無事に終わり、ホッとしました。 ただ、チャリティーを考えると、9月の上海オペラハウス画廊の個展が、別の意味で重要だと自分の中では位置づけていたので、秋が何事もなく終わった今は、『海外、上海で個展!』という当初の気負った感情は消え、日本国内で個展を開くのと変わらないことが実体験でわかりました。

宮島永太良上海の街角にて

 そうは言っても、春に日本から多くの友人知人が上海に駆けつけて時は心強かったし、鑑賞者参加型の立体作品を展示できたことは嬉しかったです。 それもあり、春の終了時は確か『卒業式』を迎えた気分だと語りましたが、今回はその繋がりで卒業式後の『謝恩会』を終えた清々しい心境です。 加えて、今は国境に関係なく、私を支えてくれた皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

宮島永太良2

 これを機会に新たな一歩を踏み出したいと考えていますが、その思いを皆様にお見せできるのが、10月27日から1週間、開催される丸善・日本橋店での個展『異空間の発見』になります。 ふたつの上海個展を終え、自分なりに考えた作品の展示構成を是非とも体感していただければと思います。

宮島永太良3

 最後になりますが、中国の楽しかった思い出話をひとつ。 今回、上海からの帰路、個展開催でお世話になった張堅さんの招きで、彼の出身地である天津を初めて訪れました。 首都・北京や多忙な上海とは違い、大都市だけど静かな雰囲気で、私はそれまでの喧噪から逃れ、気分がとても楽でした。 理由は明快、偶然にも天津には以前から私が思い描いていた中国の姿があり、持ち続けていたイメージに酷似していたのです。

宮島永太良4

 その既視感も一因になり、心から安らげました。中国訪問の最後にこの街に出会えたことは、私にとっては本当に幸運でした。 これが縁かもしれません。是非、いつか再訪してみたいです。 そして、夜の屋台街を歩き、点心に舌鼓を打ち、日本のアニメソングから始まったユニークな『ナイトショー』をもう一度見られれば、また心から楽しめそうです(笑)。(聞き書き:関幸貴)

政岡玄さんスペシャルインタビュー:上海を語る

 
政岡玄さん

 これからの人生で2010年9月が、僕にとって大切な思い出になる気がする。 ミニアルバム‘Dreaming’の発売と初めての海外旅行、これが重なる確率はもうない。

政岡玄さん取材クルーと

そして、僕の歌のタイトル“go to the west”じゃないけれど、向かった先は、仲良しの美術作家・宮島永太良さんの個展『異空間からのメッセージ』が開催され、万国博覧会開催で注目される中華人民共和国の『上海』。  出発前、尖閣諸島の領土問題で日中間の雲行きが怪しく、友人知人から渡航中止のアドバイスを受けたが、その状況も自分で確かめたくて海を渡ることを決意。 出発当日の9月25日、成田空港の待合せ午前9時に遅れてはいけないと思い、まだ暗いうちに部屋を出て到着したのは午前7時。 でも、間違えて第1ターミナルへ行ってしまったので、この早出は功を奏した(本当か!)。 今回の上海ツァーは三泊四日。メンバーは6名、主にTV番組『アート夢ぽけっと』の取材クルーで、僕は撮影のお手伝いをすることになっていた。

政岡玄さん2

 初めての国際線チェックイン、出国手続きを終え、旅は順調に始まった。 数時間後、呆気ないほど簡単に上海の土を踏んだ。 入国手続きのために並び、携帯電話をオンにしていると、入管の女性係官がやって来てジェスチャーを交え、大きな声の中国語で何やら僕に訴えかけているが、意味が全くわからない。 『携帯がヤバイのか?』と思うが、そうでもない。 どうやら、僕を中国人と間違え、並ぶラインが違うと注意していたようだ。 きっと、彼らからすると日本人に見えないに違いない。そう言えば、成田空港でも同様なことに出会った。 う〜ん、これでも完璧な日本人です。そして、親からもらった顔、姿は絶対替えられません。これが、僕ですから間違えられても仕方ないか(笑)。

宮島永太良と政岡玄さん

 同日、午後3時過ぎ、念願だった宮島永太良さんの個展会場『上海オペラハウス画廊』へ入った。前回の上海美術館での個展が盛況だったことは知っていたが、今回は自分で確かめられるのが嬉しかった。
 黒い天井、落ち着いた照明の会場内を進む、大きな象の絵が遠くに見え、ネクタイ姿で微笑む宮島さんが迎えてくれた。 しかし、これまでも宮島作品はたくさん見ているが、これだけ多くを一度に見るのは初めてだ。 内に秘めた不思議な迫力がある。見たことのある作品なのに新鮮なイメージが伝わり、今回の僕のCDジャケット同様、心地良い雰囲気が漂う。 確かにアートに国境はない!この個展を見て実感した。

政岡玄さん3

そして会場内を見回すと入口付近にあり、僕が気に入っているウルトラマンの絵を見て中国の女性たちが楽しそうに笑っている。 これってありなの?気になったので、現地コーディネーターの陳さんに聞いてみると、ウルトラマン情報は既に中国に届いていることがわかった。 知らなかった! まだ、上海に到着して数時間なのに得た現地情報の多さに驚くと同時に自分自身で確かめることの大切さを知った。

上海で宮島永太良と政岡玄さん

 これ以降、滞在中は『お見合いの日』、『日本人女子留学生との交流』、『TVのロケ』、『現地の酒席』、『美女と相合い傘』等々、素敵なこととたくさん出会い、連日上海を駆け巡った。 滞在日程はアッと言う間に終わり、もっと上海にいたかったけれど、それは叶わない。 また、そのエピソードをここに書き連ねてもきりがない。でも、初海外体験で大切なことを実感。 それは、世界に最も必要なフレーズは、やはり『ラブ&ピース!』。で、近い将来、その気持ちを歌に託して表現することに決めた。
上海で得た貴重なイメージから名作誕生の予感! 乞うご期待です♪
(聞き書き:関幸貴)

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