Friends : 友達
Friendsには、ジャンルを問わず宮島永太良の友人知人が登場!
毎回、親しい視線と言葉で宮島の実像に迫ります。
今号から2回連続で小説家の長谷川純子さんが登場します。
11月は編集部とのQ&A、12月は書下し最新エッセイを掲載予定です。
お楽しみに!

◎長谷川純子(はせがわじゅんこ)さんプロフィール



神奈川県横浜市出身。 1966年2月4日生まれ、水瓶座、AB型。 89年、セツ・モードセミナー卒業。 在学中からイラストレーターとして雑誌等で活躍。 その後、コラムやルポを書き始め、02年には小説家としてデビュー。 現在は各誌で作品発表。 プライベートでは新婚1年目。 《刊行歴》 2004年05月:短編集『発芽』マガジンハウス 2006年02月:書下し長編『孤独のいいなり』幻冬舎 2006年08月:短編集『はずれ姫』新潮社 また短編「無精卵」(『発芽』所収)が、現代女性作家アンソロジー『インサイド』(講談社インターナショナル)に掲載されている。 |
◎長谷川純子さんへのインタビュー Q&A
Q(編集部):お仕事について教えてください。
A(長谷川純子さん):『小説家です!』と、言い切りたいですが、それだけでは生活できないので、イラストレーターとしてのお仕事もしています。
ウェート的には文と絵、五分五分。現在のレギュラーは女性週刊誌のお悩み相談です。
内容は毎週10テーマぐらい、例えば『亭主のオナラが臭い!』といった奥様方の日常的な悩みに対して、コメントとイラストで私の気持ちを伝えています。

Q:マスコミ業界に関わったのは何時頃ですか?
A:セツ・モードセミナー在学中のことです。子どもの頃から絵に携わる仕事を希望していたので、イラストレーターとしてマガジンハウスの『ポパイ』へ売り込みに行き、運良く編集者と知り合えたのが始まりでした。
Q:イラストレーターとして、最初はどうでしたか?
A:とても面白かったです。
イラストのお仕事も楽しかったけれど、それ以外に編集者とのお付き合いで、飲んだり、食べたり、遊んだり…、ギャラ以上に良い経験でした(笑)。
まだ出版界の勢いがあった頃ですね。
Q:それが何故、文を書き始めたのですか?
A:イラストレーターになって4年目頃、『喋る内容が面白いから、コラムを書いてみれば』という編集者の甘い言葉に誘われ、ついついその気になって…
Q:で、どうでしたか?
A:あまり売れなかったけれど、コラムをまとめた単行本も出たし、最初は気分も変わり、書くこと自体が嬉しかった。
でも、いつしか週刊誌2誌で、イラストルポの連載を担当。
それが長く続いたので精神的にも追い詰められ、気晴らしのために小説を書き始めました。


Q:小説は気分転換になりましたか?
A:うまく言えませんが、なったと思います。
Q:それ以後、創作は順調に進みましたか?
A:いいえ、そうでもありません。某文芸誌の新人賞には一次選考で落ちましたが、その後別の出版社から小説家としてデビュー。
しかし、創作の悩みは尽きません。あるとき心配した編集者に文壇バーへ誘われ、某有名作家から有意義なアドバイスをいただき一瞬晴れ間が見えた気がしました。
でも、また壁に…、その繰り返しで現在に至っています。
Q:小説のために取材はしますか?
A:特にしません。私が興味あるのは、宝くじ売り場の中やそこで働くおばさん、古い酒場のうらびれた音色の風鈴等々、限定された空間での出来事や光景です。
狭い所にいて、外へ出られない人の心を想像するのが好き。小さな世界ですが、何故か私の心もそこへ入り込んで行きます。

Q:今、興味のあることを教えてください。
A:ふぐ、フグ、河豚です!
Q:あの、魚のフグですか?
A:そうです。丸っこくって可愛いあのフグです。
フグは縄張り意識が強いので、現在、自宅で8個の水槽にわけ、色々な種類10匹前後を飼っていますが、あの子たちの姿を見ているだけで時の経つのも忘れ、幸せを感じてしまいます。
Q:フグの魅力とは?

A:クマノミ等の熱帯魚は観賞魚と言われます。
でもフグは愛玩魚、ハムスターなんかに似て、つぶらな瞳で飼い主を認め、ちゃんとなついてくれます。
そこも魅力のひとつで、いつの間にか水槽も増えてしまいました(笑)。本当にフグは言葉にできないほどたくさんの魅力を秘めた存在ですよ。
Q:では、フグのエピソードをお願いします♪
A:実は08年と09年、幸いなことに2年連続で『国際女性の日』にイタリアで行われた『現代日本作家の文化祭』のシンポジウムに招待され、私の日常生活や創作について語りました。
そのとき、『小さなフグでささやかな福(ピッコロ・フク)』になれる思いに少し触れたら、イタリアの方々が日本の侘び寂びを理解するかの様に私のフグに対しても興味を抱いてくれました。
あの素敵な反応に出会えたのもフグのお陰。加えて、イタリアワインもおいしかった(笑)。
Q:それは楽しい! ここで質問は一気に変わりますが、宮島永太良さんと最初に会ったのはいつ頃ですか?

A:はっきりしませんが、約10年前に六本木の『556(ココロ)』という小さなギャラリーバーでした。そこで共通の友人が個展を開催中に偶然紹介されたのが、初対面だと記憶しています。
Q:第一印象はいかがでしたか?
A:今も全然変わりませんが、丸顔で穏やかな人だな〜って思いました。
Q:その後は?
A:宮島さんとは、たまに会うだけですが、その模様は次号のエッセイに託したいと思います(笑)。
今日はありがとうございました。