TOPTalk : 対談

馬場邦明さんと語る♪   前編

 

馬場邦明さん
 

◎馬場邦明(ばばくにあき)さんプロフィール

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馬場邦明さんspace
サンユー建設株式会社 代表取締役会長
1942年4月3日 東京都大田区生まれ、牡羊座、AB型
1965年 日本大学理工学部建築学科卒業

趣味:「花と昆虫」をテーマにした写真撮影、オーディオ、
     絵画、篆刻など


サンユー建設HP
http://www.sanyu-co.co.jp ► 


 

宮島永太良が建築業界の今昔を馬場邦明さんに聞いた!

宮島永太良(以後 M):これまで、この宮島通信では、アーティストをはじめ「物作り」をしている方もたくさん登場いただきました。  今回は同じ「物づくり」でも建設業界。  会社を運営されている方の視点で社会を語っていただきたく、以前からお話を伺いたかったサンユー建設の馬場邦明会長をお訪ねしました。  今日はよろしくお願いいたします。
馬場邦明さん(以後 B):こちらこそ、よろしくお願いいたします。

馬場邦明さんと宮島永太良

M :サンユー建設の玄関先にある彫刻や、さりげなく飾られた絵画から、社内の良い雰囲気が伝わってきます。  今日は建設だけではなく、色々な分野について話が及ぶと思いますが、御社のホームページを拝見すると、お父様が創業されたとか?
B :祖父は家具職人でした。  その技術を活かしながら、昭和21年頃から父を含めた兄弟で建築業に携わり、色々ありましたが、サンユー建設は昭和39年に父が始めました。  私は大学卒業後、一旦、設計事務所に勤めたのですが、昭和43年に正式入社しました。  思い返せば、あの頃の会社は小さかった。

馬場邦明さんと宮島永太良

M :学生時代から建築関係を目指していたのですか?
B :はい、最終的には父が営んでいた会社に入るために建築学科を選びました。

M :ところで、サンユー建設の業務内容は建築関係だけでなく、ホテル経営など多岐に及んでいますが、ホテルはいつ頃からですか?
B :ホテルは今から10年以上前、南熱海 / 網代で始めました。  敷地面積は1万坪、200名のお客様に泊まっていただける規模です。

M :何故、ホテル経営なのですか?
B :将来、建築の世界がどう変わるのか読めない部分もあったので、会社の多角化を考え少しずつ手を広げました。  現在、埼玉の上尾には小型エレベーターや避難用ハッチ等の製造工場もあります。  それはホテル経営同様、建設業が器だけを造っていた時代から変化した証であり、当社が独自に導き出した方向性だと考えています。

宮島永太良

M :つまり、現在のサンユー建設は建物を造り、その中で使うモノも供給、完成した建物(ホテル)でサービスも提供しているということになります。  確かに会社は一つの業種で業績を上げたとしても、先は不確定ですから、建築業を基礎に関連した業種にも未来を求めているのですね。
B :私は、どの業種でも同じモノが永遠に続くとは考えられないのです。  例えば、私が趣味のオーディオ関係を見ても、一昔前にもてはやされたのは大型で高価でした。  ところが現代では、持ち運び自由で小さくなり直接耳で聴くことのできるモノが主流になりました。  これも時代の流れです。  現代の建築業に目を移しても、建てることと同様にリフォーム事業にもかなり力を注いでいます。  そうした状況を見てきた私の経験から、どの分野もだいたい30年が1サイクルの目安じゃないかなと思い至りました。  例えば、元々繊維メーカーだった東洋レーヨンは、今では総合化学メーカー。  つまり、時代と共に業態を変えられることで企業も成長できるのかもしれません。  だからこそ、当社には新築、改修、内装、ホテル、製造部門があるのです。

M :現代は本当にスピードが速い、デジタルの時代です。  先程のオーディオの話にしても、5年前に使っていたのに、今では使いたくても買えないモノがあります。
B :レコードを持っていたって、ある程度の環境がないと聴けないし、CDでさえ危うい感じを受けます。

M :音楽はスマートフォンでダウンロードの時代です。
B :本当にそう、時代での変化からは誰も逃れることはできません。

馬場邦明さんと宮島永太良

M :ある経営者の方の著作に「今はカードを多く持っている人にとって有利な時代」と、書かれていましたが、サンユー建設は早くから色々なカードを用意していたことになります。  ところで、建築の世界を覗くと、2020年の東京オリンピックの影響がかなりあると思いますが、いかがですか?
B :好ましくない影響が考えられます。  とりあえず、東京オリンピックは昭和39年(1964年)に経験しているので、ある程度、見当はついていますが、50年以上前の話だけに不確定要素は多いです。  加えて、もっと大きな問題は高齢化の影響もあって、建築業界の労働人口も減少、保険等の労働条件も変化して来ているので楽観視はできません。

M :想像したより、オリンピックの準備は大変そうですね。
B :そうした状況だけに、当然、建築コストも上がることになるでしょう。

M :東京オリンピックへの不安は募りますが、少し話題を変えます。  サンユー建設は建物が完成した後のお付合いがとても親身だと、親しい人から聞きました。  それはお客様のことを考えているからですか?
B :昔から建物ができたら終わりじゃなくて、そこがスタートと考え、その思いを会社全体で共有しています。  だから、手続き上で何かあった時には図面や関係書類を、すぐに出せる仕組みがあり、実際、そのために売却時に条件が良くなった例があります。  当然、人間関係も同じ、常に人とは真摯にお付き合いするものだと思います。

M :やはり、どんな仕事も未来を考えながら、日々、真面目に積み重ねて行くことが大切なのですね。  馬場会長のお言葉から、実感いたしました。  後半は趣味のお話を聞かせてください。  
よろしくお願いいたします。

続く


花と蝶
*馬場邦明さん撮影「花と蝶」
(文・写真 関 幸貴)
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