Road : つれtakeロード
■ 好評連載!
人生初の乗車体験…
初めての九州新幹線♪
去る12月6日、宮島永太良は人生初の九州新幹線の乗車を体験した。 午前中、佐賀市内で用事を済ませた宮島がJR長崎本線で福岡方面に向かい、最初に乗り換えたのは佐賀県東部の鳥栖駅。
駅の目の前にはJリーグ・サガン鳥栖のホームスタジアム「ベストアメニティスタジアム」がある。 この日の長崎本線は全体的にダイヤが乱れており、鳥栖から熊本方面に向かう鹿児島本線もいくらかその影響で遅れ、しかも二両編成という短い列車のため、かなりの乗客で混んでいた。 こんな日こそダイヤの乱れに巻き込まれていない新幹線が待ち遠しい。
そして長く感じた二駅を経て、福岡県の久留米駅で降りる。 宮島にとって初めてとなる福岡県久留米だ。 ちなみに東京都に東久留米という場所があるが、そこは市ができた時、この福岡県久留米市がすでに存在したため 、混乱を避けるため「東」と付けたそうだ。 この地は松田聖子やチェッカーズの出身地としても知られている。 町中に彼らの記念碑とかがあるのではと期待したが、それらしいものはなかった。 若手歌手では家入レオも久留米出身だ。 ここからいよいよ九州新幹線に乗り込む。 行く先は久留米から二つ先の新大牟田。
新幹線の自由席に乗るが、そのちょっとした高級感はグリーン車両を思わせる。 あるいはすいていたこともそう感じさせたのか? 日曜の昼という時間帯は、人はあまり新幹線に乗らないのだろうか。 ドアの内側は東海道、東北新幹線に比べるとかなり派手な色調である。
外の景色を見ると、途中、向かって左方面の遥か彼方に巨大な仏像が見えてきた。 久留米市にある成田山の慈母観音像である。 高さ62メートル。 関東でいえば大船観音や牛久大仏のような土地のシンボリック的存在なのだろうか。 新幹線が速くてカメラに収められなかったのが残念だった。
そして途中停車したのは筑後船小屋駅。 駅名としては珍しいが、その名を思わせるように、駅のすこし先に川があった。 福岡県内を流れる矢部川だ。 かつてはこの川に、堤防としての小屋が多くあったことが地名の由来らしい。 また駅の至近距離に、多角形を基調としたアバンギャルドなデザインの建物があった。 九州芸文館だ。 芸術や文化の交流の場所として地元では中心的な存在のようである。 そして再び新幹線は出発した。
降車したのは新大牟田駅。 その駅名からも、従来の大牟田駅とは別に、新幹線のために作られた駅なのがわかる。 ここは明治時代の洋館・旧三井港倶楽部のある町、そしてかつて三井三池炭鉱の産業で栄えた町として知られている。
駅の周辺はのどかだった。 やはり曜日のせいもあってか、あまり人はいない。 風景を見て、神奈川県に似ていた、というのが宮島の感想だ。 駅の東方面は、神奈川中部の泰野市や厚木市の林道を思い出させる風景。 また大牟田市街地に続く西方面をしばらく歩くと、京急線三崎口駅の近隣にいるような思いがする。 もっとも神奈川出身の宮島だからこそ連想する風景であり、皆がそう思うとは限らないだろう。 大牟田市は福岡県の最南端。 もう隣は熊本県だ。 九州に来ても、日本の風景はやはり変わらないのだということがわかる旅であった。
再び反対方向の新幹線に乗る。 行きよりは若干乗客数は多いようだが、自由席といえども座れることに問題なかった。 そして降車したのは新鳥栖駅。 再び佐賀県鳥栖に戻ってきた。 これから佐賀方面に戻るのであるが、そちらの方面の電車は遅れてはいなかった。
九州新幹線と言えば2011年に博多-鹿児島中央間が全線開通。 話題も多く、地元の学校の卒業生たちが新幹線を貸し切って同窓会をやったとか、興味深い噂を聞きながら、一度は乗ってみたいと思っていた。 次はぜひ全線を乗り通してみたいものだ。
(文・写真 宮島永太良)