Story : 詩と作品
連載第21回 宇宙の彼方…
誰も見たことのない宇宙の彼方はとても綺麗だ
満月が美しく輝く頃、
その向こうの宇宙では
カーニバルが催されていた。
花は咲き乱れ、秋の花火は高く上がり、
この世の至上の楽しみがそこにあった。
何も知らない地上の人たちは、
さぞ一緒にカーニバルを
盛り上げたかったことだろう。
しかし喜びの表情が見えない。
花たちはむしろ地球に帰りたそうだ。
空気のない所では
やはり生きて行けないのか?
太陽は全て知っていた。
ここで起きていることは、
地上の人の頭の中にだけある光景なのだと。
何も知らないはずの地上の人は、
勝手に未知の世界を作り上げていた。
誰も見たことのない宇宙の彼方はとても綺麗だ。
そこでは花が咲き乱れ、
秋の花火は高く上がる。
そして宇宙に広がる大海原が
引き潮になった時、
そこには夢からさめた地上の人の、
虚しさだけが残っていた。
「水金地火木どってんFLOWER」
宮島永太良