Road : つれtakeロード
■ 好評連載!
宮島永太良、環七を越えて山王から馬込へ♪
第10回 「馬込文士村」を散策 馬込編
山王の急な階段を上り、辺りを見渡すが文士の碑はなかなか見つからない。 でも、その代わりに国蝶オオムラサキの幼虫が好んで食べるエノキの老樹に遭遇。 横にあった但し書きによれば、かつてここにはエノキが多く茂り、オオムラサキにとっては楽園、安住の地だったとか。 蝶から文士へ、やはり現実から飛び、離れる種に縁がある土地のようだ。
しかし、その後、道行く人に尋ねながらいくら歩いても碑は見つからず、初めての坂を下ったら、さっき休憩した厳島神社の裏手に出てしまった。 すると、たくさんの子どもたちの声が聞こえて来たので、近づけば、「大田区立山王花清水公園」と表示され、園内は少ない平地と急勾配の土地から成るユニークな造り。 入るとすぐにガゼボ(西洋風東屋)があったので、宮島は中に入り、「子ども時代に戻った気がします」と、微笑んだ。
公園を出て、しばらく歩いていたら幸いなことに4つ目の碑「藤浦洸」に出会い安堵。 以後、右往左往しながら坂を上がるが何も見つからない。 落胆していたら、目の前に交番があり、「文士村」について尋ねると、「馬込文士村散策マップ」と共に山王側より環七を越えた馬込側が多いと、貴重なアドバイスをくれたので来た坂を下り、長めの横断歩道を渡った。
馬込側に入ってすぐ、足元に「吉田甲子太郎」の案内。 こちらもアップダウンがかなりある地形。 だが、しばらく歩くと分かりやすい「文士村の案内図」が出現。 お陰で、わずか数分で「尾崎士郎」と「宇野千代」、これも隣同士の碑に出会うことができた。 もらった地図で確認すると「文士の碑」は、まだまだたくさんあったが、ホッとしたので、「馬込文士村」への再訪を誓い、帰途に着くことにした。
帰りは馬込駅か大森駅経由か悩んだが、バスで大森に向かうのが速いと分かったのでバス停を探しながら、宮島は知らない道、非日常の空間を楽しみながら歩いているようだ。 そうこうするうちにタイミング良くバスが到着。 歩きでは数時間掛かった道程を、バスはアッと言う間に大森駅へ運んでくれた。
大森駅に着いたので、今日はこれで終わりかと思ったが、宮島が嬉しそうに、「大森駅西口改札から徒歩30秒。 ノスタルジックで昭和の雰囲気が漂う飲食店街、通称『地獄谷』があるので、ちょっと覗いて行きます」と、言うが速いか、小走りに谷底へ向かって行った。
まだ、宮島永太良の旅は終わりそうにない…