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万城目純の『神楽坂独り語り』前編


万城目純さん

◎万城目純さんプロフィール
(ダンス・アート:まきめじゅん/ビジュアル:まんじょうめじゅん)

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アーチスト 東京出身、神楽坂在住。
1月28日、水瓶座、A型、2人兄妹。
和光大学人文学部人間関係学科専攻科卒業。

“身体と社会” を軸に、アートワーク、シアターワークで多種多様な表現を探求するアーチスト。  
表現ジャンルは既成概念に囚われることなく映像・美術・演出・身体表現と多岐に及び、独自の理論に基づく作品を制作・発表。
映像作品は、イメージフォーラム・フェスティバル1997一般公募部門大賞受賞後、ロッテルダム国際映画祭、ICAシネマテイク、MHKA美術館(アントワープ)、バンクーバー国際映画祭、プロジェクト・UKIYO(ロンドン)に参加。
 

爽やか日曜日、万城目純さんが地元神楽坂で独り語った…

 
万城目純さん

○ 子どもの時代の神楽坂は、5、15、25日、毎月3日が縁日だった。楽しみが、少なかった時代だから、オトナたちは、そうして『ハレとケ』を演出していたのかもしれない。  その頃、週末必ず僕は映画好きのオヤジに連れられ、彼の友人が経営する錦糸町の映画館へ通い、あらゆる作品を見た。  幼稚園ぐらいからだから、映画の影響は大きく、今も虚と実の境が定かではない(笑)。

○ 映画と言えば、スタンリーキューブリックの「2001年宇宙の旅」を、京橋にあったテアトル東京のシネマスコープの大スクリーンで昔見た。  劇中、コンピューターが反乱を起こし、宇宙飛行士が船外へ投げ出されて、孤独で漂いながら地球全体を見るシーンがあった。  僕は、そのころは子供だったが、その映画を見た翌日、縁日で買ったしゃぼん玉が目に入り、視力を失う恐怖を感じながら家で寝ていた。  その時に見たイメージが、まさにこの映画と同じ。  畳の上に横たわっている自分自身を自分が天井から、いや、もっと遠くの宇宙から自分をも見下ろしていた。  今、大人になってもこの個人的なイマジネーションは健在。  それが“映画の眼”の始まりというのかな?

○ 想像力を使うことで、この世の中解決することが多い。  人の頭の中は宇宙や地球に比べたら狭い。  だから、色んな人と交流を広げ、刺激し合い、自分自身の想像力を高めれば、自分も楽しいし、他人も楽しませるはず。

万城目純さん

○ 僕は高校を卒業してから4年間働いた。  10代の頃から映画も作っているし、シティマガジンやミニコミ等の取材をするフリーライターとしても活動した。  バンドプロデュース、演劇など色々やり、それも一旦卒業して、人とは逆の順番で大学へ進学した。

○ 進学したのは、和光大学人文学部人間関係学科。  人間関係学科ってヒューマンリレーションと考えがち。  でも実は人間(諸)科学の意味。 80年代に人間を中心にして科学が注目を浴びた。  当時それを訳す言葉がなく、人間関係係学科と登録したらしい。  学んだのは、あらゆることを巨視的に見ようと言う姿勢。  例えば、専門家が地球平和のために研究を行ったつもりでも、成果は兵器につながり、結局は人を不幸にする道具になってしまった。  その結果に対して当事者の専門家が知らなかったでは通らない。  その反省から、もう一つの見方をしてみようというところから、広大な理念が生まれた学科。  カリキュラムの中には専門がなく、社会学、心理学に加えて福祉や美術、文学もある。  講義も自由に選べて、何をしても良く自由精神が現在の僕の原点になっていると思う。

○ ヘソ曲がりだと思うけれど、人が考えないことが気になる。  例えば、映画を見ていても、主役が喋っている言葉よりも、脇やどんな音楽が流れているのか気になる。  他人と比較するとインプットの仕方がかなり違うらしい。  だからと言うワケではないけれど、探究心は旺盛で勉強は好き。

万城目純さん

 独り言は続く、後編へ…


◇ 万城目純さんの今後の活動

● ダンス作品 上演
7月15日(日):縄文アート展 音楽とダンスの縄文パフォーマンス
16時〜 万城目 純+ホワイト ダイス
「土の夢 空の香り 水のときめき 光の思い」
船橋市飛ノ台史跡公園博物館
http://www.city.funabashi.chiba.jp/shisetsu/bunka/0001/0006/0001/p011082.html ►

● 美術展 「+∞(無限大)展」参加
映像インスタレーション+・関連パフォーマンス
“パフォマティブ・ライフ あらかじめ取り付けられた影像をすりぬけ脈打つ光像たちの前で”
8月7日(火)〜12日(日):10時〜18時
(初日は14時〜 最終日は〜15時)
目黒美術館 区民ギャラリー
http://mmat.jp/about/floor/gallery.html ►

● 朗読とピアノと歌で構成されたオペラに兵士役で振付・出演。
増田昭一さん原作(小田原在住の満州引き揚げ体験者)
『少年サブちゃんと名犬ゴン』甘利真美さん作曲・歌
http://www.liebeschon.com/mami.htm#sakuhin ►
公演日:10月2日(火)横浜みなとみらい小ホール
    10月8日(月・祝)海老名文化会館小ホール

(構成・写真 関 幸貴)

 
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