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新春の二人展を宮島永太良と開催した陶芸家 / 小高嘉照さん登場!


小高嘉照さん

◎小高嘉照(こだかよしてる)さんプロフィール

小高嘉照さんspace
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「与游窯(よゆうがま)」を主催する陶芸家、
ギャラリー喫茶「なよたけ」オーナー。
1945年11月19日神奈川生まれ、
蠍座、O型。
5人家族。

電電公社 / NTTに35年以上勤務、2年前に退職。
趣味は、コーヒーカップ収集、競馬。

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小高嘉照さんへのインタビュー Q&A

小高嘉照さんと宮島永太良

編集部(以下Q):
陶芸は何時頃から始めたのですか?
小高嘉照さん(以下A):
30歳頃でした。 だから、40年近く土に親しんでいることになります。

Q :動機は?
A :その頃、私は結婚もし、最初の子どもにも恵まれていたのですが、競馬とパチンコに熱中、時間とお金を浪費していました。  ある時、大のギャンブル好きを妻に指摘され、自分自身でも猛省して発奮。  で、違う対象に情熱を注げればと思い、陶芸と向かい合いました。

Q :何故、陶芸?
A :ギャンブルだけでなく、旅好きでもあった私は、お酒があまり飲めません。  だから、旅の楽しみとして訪れた先で窯元からコーヒーカップをひとつずつ買い集めていました。  それは現在まで40年以上続き、収集した数は250脚を越えました。  「なよたけ」の棚にもコレクションの一部が並び、私が喫茶店を切り盛りするとは思ってもいなかったのでコーヒーカップは喜んでいるはずです(笑)。  そして、その趣味が、知らぬ間に私に知識と影響を与えたのかも知れません。  また、タイミング良く近所に陶芸教室ができたのも幸いしました。

なべ焼きうどん

Q :陶芸を始めてギャンブルとは、縁が切れましたか?
A :すぐにやめたワケではありませんが、パチンコは禁煙と同時にヤメ、確実にギャンブルからは遠ざかりました。  しかし、競馬は今も楽しみのひとつ。  ゴルフもやりませんから、可愛く続けています。  永太良さんのパーティに出ると競馬好きの方もいらして、結構盛り上がりますよ(笑)。

小高嘉照さん

Q :そうなったのは、陶芸への強い思いが一因ですか?
A :そうです。  加えて、ズバリお金の問題、経済的に余裕がなくなったからです。  私は、好きなことにのめり込む性格、陶芸を始めて数年経ったら頃、自分の窯がどうしても欲しくなってしまったのです。  当然、場所が必要になりますが、当時はマンション住まいで無理、それで一戸建てを探し、移る算段をしたら、住宅ローンを抱え…。  まぁ、今思えば、それが自然な流れだったとも言えます。

Q :そんな熱い行動に走らせた陶芸の魅力とは?
A :始めた頃は、単なる土のカタマリが形になり、その上、それが使えるモノになること感動しました。  気障ですが、「命」が生まれてくる感じを受け、作っていてあの頃は楽しかった。

小高嘉照さん

Q :作品制作のサイクルは?
A :最近では、展示が年に2回、多い時で3回ぐらいです。  お誘いがあって開催日が決まると、それに向かって制作を進めます。  ただ、そこで最も重要になるのが、テーマ。  毎回、自分の中で決めますが、気持ちが微妙に揺れ動くので大変です。

Q :宮島さんとの二人展でも同様ですか?
A :はい。  一昨年は「ランプシェード」、昨年は「土鍋」。  今年は釉薬を使わない「焼き締め」をテーマにしました。

小高嘉照さん作「土鍋」

Q :制作どちらで?
A :私が、「なよたけ」にいるのが水〜金の3日間。  火曜日夜は、横浜で陶芸教室の講師をしているので、週末に伊豆にある陶房で土と向かい合っています。  忙しい時は毎週ですが、いつもは伊豆で教室もあるので平均月2回です。

Q :作品制作に関して、最近はどんなお気持ちですか?
A :始めた頃の気持ちは薄れ、壁にぶつかり、作ることに悩み、悪戦苦闘の連続です。  簡単に考えていたけれど、作れば作るほど難しくなった様に思います。  これに似た体験談を、他の方から聞いたことはありましたが、現在、私はそれを実感しています。  本当に思い通りには行きません。  少し泣きが入りましたが、私自身は次の段階へ進んでいるのかもしれません。  だから、これを過ぎれば、もっと良い作品ができそうな気がします(笑)。

Q :話は大きく変わりますが、宮島永太良さんとの出会いは?
A :最初は4年前だと記憶しています。  その頃、私が仕事関係で銀座のオフィスに出入りし、Jトリップでも個展を開催したりして、距離が縮まったと思います。

ギャラリー喫茶「なよたけ」前で小高嘉照さんと宮島永太良

Q :初対面の印象は?
A :もの静かで、圧力を与えない人だなと感じました。  それは、今でも同じ考え、希有な存在だと思います。

Q :一昨年、春秋の上海個展、昨年のパリ個展も行かれ、二人展でも宮島さんの作品をよくご覧になっていますが、感想は?
A :宮島作品を一昨年から、ここでも常設する様になりましたが、『絵を見ていると心に何か響く!』と、話してくれるお客様が多くなりました。  去年の二人展の時にも、私の知人が同様なことを語りながら、即決で2作品を購入して行きました。  実は私も絵が気に入り、とにかく永太良さんの作品を手元に置きたくなって2作品を購入。  今は綾瀬の自宅と伊豆の陶房に飾ってあります。

Q :何故?
A :年齢は違いますが、同じ作り手として、永太良さんの姿勢に興味があり、宮島作品の本質を肌で知りたいからです。  また、良い意味で宮島作品は、あっても邪魔にならないし、あれば和む。  だから、手元に置きたい気持ちが強かった。  焼き物もそうですが、買わないで、眺め、触っても、良さは分からない。  最終的に自分のモノにして、何時でも近くにある状態にしておかないと本当の良さと触れ合えないと思います。  この発想もコーヒーカップ収集から学んだのかもしれません。  有名人だから、良い作品とは限らず、若い人が一所懸命作った作品は、味があって良いですよ(笑)。

Q :最後の質問です。 これからの宮島永太良さんに何を望みますか?
A :制作に対する姿勢を変えることなく、どんどん作品を生み出し、パリだけと言わず、ロンドン、ニューヨーク、世界中で個展を開催して欲しいですね。  私は、それを追っかけて旅をしたい!  加えて、現実的な希望がひとつあります。

Q :何でしょう?
A :新春、「なよたけ」での二人展を恒例にしたいです。  永太良さん、ご検討を宜しくお願いいたします(笑)。

今日はありがとうございました♪

(文・写真 関 幸貴)

 
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