TOPTalk : 対談

宮島永太良が振り返る上海(前編)

4月2日から会期10日間で1万人以上の観客を集めた上海美術館での宮島永太良チャリティー個展〜異空間からのメッセージ〜♪
大成功に終わった経緯を上海に同行取材した写真家の関幸貴が、帰国後、宮島永太良に聞いた。

◎宮島永太良との対談 Q&A

上海美術館前で

Q:大成功に終わった上海個展、おめでとうございます。いまの気持ちを率直にお聞かせください。
A:これまでの日本での個展を考えると、こんなにお客さんが入ったことがなかったので素晴らしい機会を得たと感謝しています。 しかし、1万人以上の入場と聞いて、自分でも『凄いな』と思うけれど、有頂天ではありません。

Q:確かにオープニング当日、多くの人の前でも落ち着いていましたね。
A:セレモニーで挨拶をするとき少し緊張しましたが、自分でも不思議なくらい冷静でした。 上海に赴く前にとても親しい人からも言われたのですが、この個展はここ半年の目標で最終目標ではなく、ひとつのステップと捉えていたからです。 その気持ちは現在も変わりません。ただ、たくさんの人が作品を見に集まってきてくれたのは自信に繋がりました。この結果に甘えることなく、自分自身の表現を模索し、これからも新たな展開をして行きたいです。

sample

Q:少し時間をさかのぼります。上海個展の話があったのは何時頃ですか?
A:2009年初頭、上海側からでした。

Q:その提案を聞き、最初はどう考えましたか?
A:日本国内の美術館でもしたことがなかったので大変驚きましたが、個人的には『最後のチャンス』と…

屋外で修復作業!

Q:最後のチャンス?!
A:『最後』が適切かどうかはわかりませんが、もし上海美術館で個展が実現すれば、いままでで最高峰の場所、そして、そのチャンスの結果がもし芳しくなければ、大きな会場はこれで最後。 その後の自作品の発表場所、方法を再考しなければと、真剣に考えました。

図録にサイン

Q:でも、やめようとは思わなかった?
A:強い意志、自覚があったかどうかは別にして、挑戦する気持ちは十分でした。

Q:挑戦するには自信がないと、できないのでは?
A:その辺は、昔から自信がなくても決めたら実行するタイプ。
人からは弱音を吐かない人間だと言われていました。

展覧会の準備1

Q:では、個展開催に向け、たじろいだことはありましたか?

展覧会の準備2

A:一度ありました。去年の7月に上海美術館を訪ねたときのことです。 中国本土も初めてで、今回の会場になった3階の広いフロアーに足を踏み入れると、たまたま掛かっていたのがポップな100号、200号、若い女性作家の作品でした。
それを見て、天井が高いこのスペースだと大きなサイズの展示がどうしても必要。 しかし、自らの制作した作品を振り返ってみても数的には少なく、一瞬たじろぎましたが、会期には時間があったので、作品制作に全力を傾けることに決めました。

準備は完了?

Q:その作品制作中はどんな気持ちでしたか?
A:いままでで一番辛かったのが、あのとき。制作中に何を描き足せば良いのかわからない。夏だったので、色が乗らない。大きい作品を制作していると、ついつい色んなことも考えてしまう。

展覧会の準備3

Q:何を考えましたか?
A:「いま、こんなことをしていて良いのか」「あれが食べたい」「何処かへ行きたい」「誰かに会いたい」「本が読みたい」「映像がみたい」等(笑)。大きな作品だと雑念がたくさん入り、とても束縛感がありました。

Q:では、制作後は開放感でいっぱいに!
A:それが、そうでも…

上海

来月発信の後編へ続く〜

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