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☆ 名言迷路 卍 迷言名路 ☆     文・絵・手 宮島永太良

このページでは、私が今までに聞いて興味をもったワンフレーズを紹介し、
それを考察しようというものです。
史上言い継がれてきた諺、偉人の言葉から、
著者の周り近所の人が発した言葉まで様々ですが、どれもこの世の中に暮らす人にとって、
何らかのヒントになるのではないかというものを挙げています。

〇 時は金なり

時間はお金と同等に貴重なもの、あるいは時間を大事にすれば、やがてはお金(宝)が生まれる、ということを表した、あまりに有名な諺である。

手1

私はこの諺から、小学校の頃の、ある経験を思い出す。一つは、多くの方が経験あるかもしれないが、夏休み、冬休みの前に、休み中の一日の生活時間割を提出させられたことだ。 私などは休みの1日目、2日目あたりから提出スケジュールを守れない方だったが、優秀な子でさえ、休みの前半は計画にそって生活したが、後半になったらダレてきた、という話をよく聞いた。

手2

またもう一つ、6年生の時、隣のクラスの生徒たちが自習時間中、まじめにやらずに無駄にふざけていて、あとで担任の先生が来てから叱られ、 全員に「時間を無駄にしました」とノートに100回書きなさい、という罰を課されたのである。

手3

それこそ本当の時間の無駄ではないのか、とツッコミみたくなる話ではあるが、このベテランの先生はたぶんもっと奥が深く「君たちがやっていたことは、今罰としてやらされていることと同じくらい、 時間を粗末にしたのだよ」ということを教えたかったのではないだろうか。 今思えばなんともシュールなペナルティだ。 関係ないがその先生は、顔の皮がよく伸びると評判だった。本当に関係ないことだが。
今思えば、前者からは、学校側の意図とは別に「時間とは思うままにならない」ということを教わり、後者からは、時間を無駄にした後の無念さを教えられた気がする。

モノトーンのデッサン

多い少ないの差はあれど、人は一生を生きる時間が決まっている。その中で何を残せるか、何を生み出せるかは、まさに時間との戦い方に尽きるといってもよいだろう。 「人は死ぬために生きている」ということを言っていた人がかつていた。これには、生を終えた時、人として何を残すことができるだろうか、という意味も少なからずあるだろう。 死ぬ時のことを考えるのは嫌だという人もいるかもしれないが、勇気を出して、自分の最後の時を多少なりともシュミレーションすることで、今後の時間の使い方も、少しは変わってくるかもしれない。

 

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