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Friendsには、ジャンルを問わず宮島永太良の友人知人が登場!
毎回、親しい視線と言葉で宮島の実像に迫ります。


メーキャップアーチスト タミー木村さん後編

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タミー木村さん
 

◎タミー木村さん プロフィール

タミー木村さんspace
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兵庫県宝塚市出身。
7月26日生まれ、獅子座、A型。
四年制私立大学英文科卒業。
1982年メーキャップアーチストデビュー。
関西を拠点に講師・講演活動がメイン。
高齢者のためのポジティブメイク主宰。
現在、大阪樟蔭女子大学 被服学科 化粧文化専攻教授。
父君は、第1回朝日広告賞、毎日新聞社賞、電通賞など多くを受賞した
先駆的グラフィックデザイナー木村友禧(きむらともよし)さん。
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鷲田清一先生の講座で化粧の学問分野に興味を持ったタミーさんは、
メーキャップの実践に加えてアカデミックな方面でも積極的に動き始めました。

 
タミー木村さん

編集部(以下Q):興味を持たれた後、どう動いたのですか?
タミー木村さん(以下A):講座最終日に鷲田先生にその学問を研究してられる方をお聞きしますと、同志社大学文学部・心理学科の余語真夫先生を紹介され、運良くそこの「化粧と心理学」のプロジェクトチームの研究員として仲間に入れて戴きました。

Q:どのようなプロジェクトだったのですか?
A:高齢者施設のもとへ半年間通い、私は高齢者の方たちに化粧を施し、先生は化粧が認知症に及ぼす心理的効果を追っていました。  その経験を2001年日本心理学会第65回大会共同発表で、先生の研究成果とともに私も『化粧が老人ホーム利用者の心身の健康に与える効果』を化粧の現場として発表。  今思えば、専門家に向けた研究発表を軽く引き受けましたが、大きな会場ではさすがに緊張しました。  その後10回近く研究に参加しました。  お陰さまでその体験が、大学での指導へと繋がりました。

Q:化粧の実践と理論が、タミーさんの中できれいにリンクしたようですね。
A:それから私もより深い化粧全般の知識を得て、以前は想像もしなかった大学で教鞭をとり始めることができたのは、ただ、ただご縁としかいい様が有りません。

タミー木村さん

Q:ところで、メーキャップアーティストとしてのやりがいは何ですか?
A:最初は避ける方はいますが、化粧されることで気分を悪くする人や怒る人は、まずいません。  キレイにすることで、皆に喜んでいただけるのですから、良い仕事です。  ボランティアで特養老人ホームに行きますが、最初は人を寄せ付けないくらい不機嫌なおばあちゃんも、化粧をし終わる頃には、『ニコッ』と、笑みを浮かべてくれます。  あの瞬間はたまりません(笑)。

Q:微笑ましい光景ですね。
A:はい、だから私はストレスのない仕事に就けたことは幸せだと思います。  これも、両親が私に小さい頃からピアノだけでなく色んなこと学ぶ機会を与えてくれたお陰です。

Q:どんな習い事を?
A:あの時代にフィギアスケート、15歳頃からは、お茶にお花、英語…、そうした事全てが仕事に役立っています。  だから、学生たちにも技術の向上も大切だけど、色々なことを経験するのがとても大事としばしば話しています。  それが、自分自身をスキルアップさせることになり、メーキャップアーティストとして活躍の場も広がると思います。  だから、私は今現在も自分に投資し続け、自分磨きを心掛けています。

研究室

Q:学生さんとのエピソードがあれば?
A:縁があって、たくさんの学生さんを教える立場になりました。  だから、仏頂面した学生がいれば、面白いことを言って笑わせ、可愛い表情を引き出します。  そして『その顔を忘れないように!』と伝えると、それ以降、彼女は自分本来が持つ美しさに気付き始め、明るく素敵なります。  それは私にとっても幸せなことです(笑)。

Q:本当に世代を越えてお付き合いをされていますね。 そのタミーさんが、宮島永太良さんとは何時頃、お知り合いになったのですか?
A:2003年、大阪の丸善2店で行われたフジモト芽子さんとフラワーコーディネーターのフランソワ・ガルニエさん、宮島さんの3人展『原風景展』のときでした。

研究室の時計

Q:初対面の印象は?
A:私は芽子さんを訪ね、彼女の作品を見るのに一所懸命で、あまり宮島さんとは接していませんが、人柄、作品に違和感はなく、会場全体も品があり優しい雰囲気だったのは記憶しています。  2度目は昨夏、新企画について大阪で夕食をしたときです。  7年ぶりに再会しましたが、宮島さんの印象は変わっていませんでした。  一見すると、私は積極的に人とお付き合いするように見えるかもしれませんが、そうではなく、自然に人と関係性を築いてきました。  宮島さんとも、そうですね。

Q:作品については、いかがですか?
A:上海個展の図録は拝見しましたが、しっかり見せていただいたのは、昨秋、東京の丸善日本橋ギャラリーで開催された『帰国慈善個展』でした。  私はどんなに有名でもドギツイ作品やグロテスクな作品は根本的に受け付けない性分。  ところが、宮島作品は色彩豊かでソフト、そしてロマンチックな感じもあり、とても癒されます。  それが大阪大学医学部の病院に受け入れられた理由だと思いますね。

Q:その個展で宮島作品を購入されたと聞きましたが?
A:はい。  それが東京から送られて来て、梱包を解きました。  最初は自室に飾る気でしたが、そんなとき、縁と言うか、私が化粧ボランティアをしている大阪の特別養護老人ホーム『ゆめあまみ』の10周年パーティに招待されました。  それで、絵を独り占めするのではなく、多くの人に喜んで貰えた方が良いと閃き、宮島さんの絵の寄贈を決めました。

帰国慈善個展で  タミー木村さんと宮島

Q:素晴らしい選択でしたね。 さて、最後の質問です。 宮島永太良さんの将来に望むことを教えてください。
A:おこがましいことは言いたくありません。  でも、生来、肌で感じて来たので芸術作品は作者の内面を表現していると分っています。  決して嘘は描けません。  だから、これまでの作品に見られる優しさ、宮島さん自身を描くため、雑音を気にせず、人との暖かい関係を今のまま継続して欲しいですね。  それが、独自のイメージを育て世界を築くことに繋がると思います。

今日は、ありがとうございました。

by Sekikobo
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