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特別編 緊急事態宣言解除後の東京で考えたこと…

ブルーインパルス

5月25日、全国の緊急事態宣言が解除された。東京に関しては、これからはレインボーブリッジを利用した「東京アラート」で新型コロナウイルス感染の危険度を知らせるという。宮島永太良は前回に続き解除後の東京の様子を、自らの視点で探った。「一番深刻だった4月中、5月前半よりは、日常が少し取り戻されたようには感じます。しかし、まだ安心できないというのが本音でしょう」

公園にて

政府からは「新しい生活様式」というのが発表された。「マスクを着用」「手洗いをする」「人との距離を保つ(ソーシャルディスタンス)」「会話は控えめに」「混んでいる時間を避ける」といった要素が生活の様々な場合にあてはめられ、細かく指導されている。中には「なぜ政府に日常行動のあれこれまで干渉されなければいけないのか」などといった苦情もあるようだが、何事も初めてのケースはこうした珍しい事態も引き起こすということなのだろう。特に「三密(密室・密集・密着)を避けよう」というのも、引き続き叫ばれている。余談だが、この新型コロナ禍で今まで聞かなかったような言葉が耳なじみになった。「三密」をはじめ「パンデミック」「ロックダウン」「オーバーシュート」「ソーシャルディスタンス」・・・

公園にて

宮島は、緊急事態解除後の東京には二つの様子が見えると言う。一つは、解除とはいっても引き続き警戒を続けている姿である。例えば飲食店などはカウンターの椅子の使用が一つおきとなっている。確かにあれでは、店の売り上げも困難をきたすかもしれない。コンビニエンスストアやスーパーなどでも、レジの所には大きな透明ビニールシートがぶら下がっている。宮島も、まだ解除がされていない5月下旬に理髪店に行った時、店では顔を当たらないことになっていた。また宮島は7月に、あるグループ展に参加するが、その各参加者にも「展覧会開催だけ伝え『来て下さい』とは言わないようにする」「会期中、お客様との会話は極力避ける」などの決まりが指定された。

飲食店にて

もう一つは、急に開放的になった姿。あれだけ人が消えた銀座も、6月初旬の頃は、もういつも
の人混みにと変わらないほどになっていた。「見ていて心配なのは、ソーシャルディスタンスがあまり守られていないようにも思います」と語る宮島。「昔から、見ず知らずの人にあまり接近して歩かれるのが嫌でしたが、この時期は特にその気持ちは大きくなっています」

駅のホームにて

久々に乗った電車も、時間の関係かもしれないがかなり混んでいたので、仕方なく次の駅で降り、徒歩で目的地まで行った。東京もこのところ、わずかにまた感染者が増えているのも気になる。夜の飲食店の経営側の一部には「コロナなんか気にしていません」というスタンスの人もいると聞く。(飲食店の経営側の大多数の人はコロナ対策をしているが)大阪府で、ある程度の解除の基準、例えば「感染者10人以下の日が何日続いた」とか、そうした基準を出してくれたことは大きいだろう。全国の解除基準も少なからずこれをもとにしてると思われる。

紫陽花

「第二波という言葉はあまり好きではないし、聞くたびに身につまされる思いがします。しかし必ず警戒しなければならないことなので目をつぶることはできません」マルタも現在YouTubeの映像において、「うがい」「手洗い」「社会的距離」などを呼びかけている。「子供向けに編集はされていますが、大人の方も少なからず参考になりますので、ぜひご視聴下さい」

渋谷

来年の今頃は、どうなっているのだろうか。来たるべく東京オリンピック・パラリンピックを楽しみながら観戦することは可能なのか。みんなで賑やかに集まりをすることは可能になるのか。「アフターコロナ」「ウィズコロナ」等という言葉も生まれ、専門家の間ではこれからの時代展望も始められている。ワクチンや治療薬が開発されれば一つの節目である。新型コロナがインフルエンザのような普通の病気となって行くことが、当座のゴールとなるだろう。それはひとえに、現在の生活の仕方にかかっているといえるかもしれない。

銀座

(注)全ての写真は緊急事態宣言解除後の東京で撮影。

(文 宮島永太良/写真 関 幸貴)

 
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