Eitaroh Miyajima

緊急事態宣言下の暮らしを3人のアーティストが綴りました…

先月に続き今月も3人のアーティストにそれぞれの思いを綴っていただきました。

1. 住谷重光さん　画家

新型ウィルスが全世界を覆っています。100年に一度あるかないかの事態ですが、時代の大きな分岐点に私達は立ち会っています。人類の発生と同時にウィルスは発生したそうですが、その歴史と文化を頭ではなく全身で感じとる事ができます。
14世紀のペストの後、中世から近代ルネッサンスが始まりました。100年前の1918年のスペイン風邪の後、近代から現代が始まりました。絵画の本道である、セザンヌ、ゴッホを白樺派が日本に紹介したのも、画廊が日本に生まれたのも100年程前と言う事です。今は大きな節目で、人類にとって、自然の循環と共生がいかに大切か、そしてそれが芸術の源であると感じます。日本は自然の豊かさ、四季と日本は恵まれています。この地形風土を活かした地産地消、思いやりのある社会、美と調和のある慎ましい暮らし、経済だけでなく、ゆったりとした豊かな暮らし、これからはそうあって欲しいと願っています。
僕の一日の暮らしは、相変わらず前と同じです。教室が開催出来ない分、制作量は増えています。午前中は自然の中で描き、午後からはアトリエで描き、夜は画集を見たり読書をしたりしています。サフランの栽培も続けており今は球根を土から掘り起した所です。借りている畑とアトリエの庭で、今年も土に触り、開花を楽しみにしています。絵画は衰退していますが、とても大切ものです。先人からそれを学び、自分で実践し、後の人に伝えていきたいと思っています。

2. 小高嘉照さん　陶芸家／ギャラリー喫茶なよたけオーナー

現在、お店、なよたけも自粛とお客様がほとんど見えないので基本休み。では、休んで何をしているかですが、ここ40数年こんなに時間が有るのは初めてなので、最初は衣類を含めた断捨離。45リッターの袋10袋位捨てました。でも、まだまだ時間が有るので、久し振りに自宅で陶芸三昧。それとお店で使っていたちょっと欠けたカップ、ソーサーの金継ぎ。あとは県内を跨ぎますが伊豆の工房で陶芸教室へ作りに見えた皆さんの作品の仕上げ、素焼きに、今はタケノコの時期なのでタケノコ堀り、掘ったタケノコを直ぐに皮を剥いて燻製に。これはお店を再開した時に冷やしサラダうどんにトッピングで出す予定です。以上の様に良い歳をして毎日楽しんでいます。

3. 岡本真実さん 画家

＜現在の心境＞　
4月と5月のグループ展示予定が延期となり、時を同じくして、足首を捻挫してしまって自宅からあまり出られない日々が続きました。普通に展示活動ができることがどんなに幸せだったのか、思い知る毎日です。
＜現在、自宅で何をしているのか＞　
�@今までの作品リストをExcelで整理しています。2017年から展示した作品は延べ600を超え、次第に画像のみでは整理できなくなってきて。自作の流れを振り返ることも、次の作品制作のヒントになっています。
�A「おうちギャラリー Gallery art home」
https://www.facebook.com/groups/Gallery.art.home/?ref=share
というアートバトンを企画し、現在グループの会員は500名を超えました。コロナで発表できない作家さんたちの思いをかなえ、自宅自粛でアートに触れられないファンの方々に、ネットを通じて少しでも癒しを届けられたらと始めました。
�Bまた、早稲田のドラードギャラリーからお声かけがあり、アマビエ(疫病退散に効くという妖怪)の作品展に参加しています。第1弾が好評で第2弾が開催中。通販でお迎え頂きました。自分でも、ネットショップを作り、小品や作品のスカーフ、Tシャツ、スマホケースを販売始めました。ショップでご購入された方のメッセージには本当に励まされています。
岡本真実BASEショップ　https://mamiokamoto.thebase.in/
�C最近は捻挫も良くなってきて、散歩しつつ花ウォッチャーも楽しんでいます。今回のコロナのことは、アーティストにとっては大きな打撃でした。でも、ピンチはチャンスでもあります。いまの自分にできることを、できる形で楽しんでやって行こうと思います。
◇作品展示情報
7月18日(火)〜26日(月)　2020現代ガールズコレクション展
―福島から世界へ／福島空港ビル2F、3F
（2021東京オリンピック・パラリンピック参画プログラム）