Story : 詩と作品
連載51回 さようなら…
遠くへ
さようなら、愛しい友よ。
君は、僕の抱えていた苦しみ、悲しみ、迷いを、
すべて持っていってくれたんだね。
僕は自分を責めていた。
君に、すべてを押しつけてしまってよいのだろうかと。
しかし僕の不幸は、君にとって不幸ではなかったようだ。
嫌いな食べ物をあげたら、喜んで食べてくれる人がいるように。
君は僕の不幸を幸福にさえしてくれようとしている。
「十人十色」などと言ったら冷たく聞こえるかもしれない。
しかし、僕がどうにもできなかったことに、
あらたな息を吹きこんでくれる。
そんな君に感謝しているよ。
感謝しているけど、しばらく会えないんだね。
今日の青空は、僕たちの友情を祝福してくれているようだ。
「遠くへ」
宮島永太良