Story : 詩と作品
連載47回 いつもの…
木漏れ日
月また今宵もいつものように更けていく。
今日やり残したことは、明日またやればいい。
と、いつもだったら思うだろう。
しかし今日は年の終わり。
やり残してしまったことに、どこか罪悪感をかくせない。
いつもと変わらないけれど、特別な夜にひとり思う。
もう間もなく、新しい年が希望とともにやって来るはず。
年は明け、新たな日の出に心おどらせたく、窓辺をのぞむ。
障子の向こうには、いつもの晴れの日と同じ木漏れ日が揺れている。
「木漏れ日」
宮島永太良