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創作、展覧会で躍動し続ける渡邊智美さんにインタビュー!    後編

 
渡邊智美さんのアトリエで
 

◎渡邊智美(わたなべともみ)さん プロフィール

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渡邊智美さんさんspace
画家。
8月16日生まれ、獅子座、A型、愛媛県松山市出身。
武蔵野美術大学卒業。
水彩連盟準会員、KSアーティストクラブ代表。
一般財団法人「健康とアートを結ぶ会」支援アーティスト。
作品のテーマは「粒子」、独特の感性で光の世界を表現し続けている。
個展、グループ展多数。



 

渡邊智美さんが創作再開を語った♪

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月刊宮島永太良通信編集部(以後M):デジタルハリウッドに通った1年後は、どうしたのですか?
渡邊智美さん(以後W):創作からは完全に遠ざかり、まず、アメリカのオフィスサプライ販売会社にインハウスデザイナーとし3年半勤め、その後、ビッグサイト等で展示会を主催する会社に制作デザイナーとして、8年近く勤務しました。

絵と器の風景 二人展ビルボードサイン

M :デザイナーの仕事はどうですか?
W :大量の情報を整理してデザインしていく仕事はとてもやりがいがあって、面白いと思いますが、正社員デザイナーは残業が当たり前という風潮があって、子どもが生まれたら「残業が出来ないデザイナーはいらないから辞めてほしい」と言われて退社しました。 その後は、派遣で定時退社可能な仕事に就きました。

M :では、創作を再開するのは?
W :展示会主催会社の制作デザイナーをしている時、デザイナーなのに社長の意向に沿ったデザインしか許されなくて、自由にデザイン出来ない自分が組織の歯車のひとつだと痛切に感じることがありました。 それで、「自分がなりたかったのは画家のはずなのに一体今何をしているんだろう?」と、自分がやりたかったことを思い出して、絵を再び描きはじめたいと思いました。

M :それはいつ頃ですか?
W :10年前、38歳の誕生日を迎える8月です。

M :それから?
W :友人のお父さんが銀座で画廊を経営していると聞いていたので問い合わせたら、いつもは数年先まで展示が決まっている人気画廊なのに、たまたまキャンセルが出ていて、12月のスケジュールを仮押さえさせていただきました。 チャンスではありましたが、あまりにも準備期間が短く即決は出来ませんでした。

渡邊智美さんの展示作品

M :展示作品は?
W :発表出来る絵が1枚もないのでどうしようかなと思案している時に、ユーチューブでネットサーフィンしていたら、水墨画で抽象表現をされている絵の描き方を動画でアップしていた土屋秋恆先生と出会いました。 水墨画教室を経営されていて、教室に参加して「これから先生に習って水墨画の作品で12月に個展ができるでしょうか?」と相談したら、「大丈夫!」と心強く請け合ってくれたので12月に初個展を開催することを決めました。

M :個展開催まであまり時間がありませんが、いつ水墨画を習い始めたのですか?
W :確か9月に問い合わせてから10月に本格的に習いに通いました。 仕事が終わってから、週に2回午後6時から10時、土日は朝から夕方まで。 最初の1ヶ月間は初級クラスで水墨画の基礎を習いました。 11月から中級クラスになって、抽象の水墨画を描き始め、11月後半に一気に作品を仕上げて、展示作品23点を選んで裏打ちに出し、12月の個展に間に合わせました。

M :その間はどうでした?
W :仕事が終わった後に、教室に行って集中して絵を描くので、家に帰って椅子に座ると失神したように寝てました。(笑)

渡邊智美さんの作品

M :個展を通しての成果は?
W :自分のやりたい事を再確認出来ました。 やはり絵を描くことがとても楽しくて、作家活動をしていこうと決意、習得した水墨画の技法を活かしてアクリル絵の具で滲みボカシの表現を使って絵を描くようになりました。

M :何故、その技法が生まれたのでしょう?
W :絵の制作を再開する数年前に、ゴールデンアクリリックス社のワークショップを受けてゴールデン社の開発した新しい下地剤を使うとアクリルでも水彩画のような絵が描けることと知っていました。 その下地剤と水墨画の技法によって、私の新しい技法が生まれました。

M :では、そのシリーズは生まれるべくして生まれたと言えますね。 さて、何時も忙しそうな渡邊さんですが、最後に今後の展望をお聞かせください!
W :私、この世の中で最も素晴らしいクリエーターは神と呼ばれるこの世界の創造主だと思っています。 自然、空、雲、流れる水、木々、何もかも全てが本当に美しいです。 皆さんが美しい自然を見て感動するように、私の絵を見て感動してもらえることを願っています。 私の作品のテーマは『エバーエナジー』です。 高校時代に「光って何だろう?」と物理学の本を読み、「光=粒子」、物質は全て粒子から成り立っていることを知りました。 その粒子の持つエナジーと美しい波長を表現した絵を描いています。 私の絵を見た方々が、美しい色彩の波長によって癒されていくことを願って制作を続けたいと思いますので、これからもよろしくお願い致します。

M :今日はありがとうございました。

おわり

 
「絵と器の風景」柚木寿雄 & 渡邊智美 二人展で
 

写真は、
2018年10月三省堂書店神保町本店で行われた−「絵と器の風景」柚木寿雄 & 渡邊智美 二人展 − で撮影。

◇ 渡邊智美さん展覧会情報
波多野安希&渡邊智美 二人展
11月19日(月)〜24日(土):銀座K'sギャラリーan
KSAC ART FESTA 2018
12月1日(土)〜16日(日):Gallery 21 (ホテル グランドニッコー東京 台場)
KSAC X'masアートギフト2018展
12月20日(木)〜25日(火):銀座G2ギャラリー
個展
2019年2月18日(月)〜22日(土):銀座GALLERY ART POINT-biz

(構成 / 関幸貴 ・ 撮影 / 関大介)
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