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アートが気になるインタビュアーが宮島永太良を探る!

 

「宮島永太良研究」第28回

=アートが気になるインタビュアー/A=宮島永太良

:前回は宮島さんがこれまでやって来られた展覧会での、展示の仕方などについてお話をしていただきました。今回は展覧会以外の発表方法ということでもお話をうかがいたいのですが。
:はい、今まで私は作品に関しては個展やグループ展、二人展など、展覧会を中心に展開して来た感がありますが、発表方法というのも様々に振り返ることがあります。

:展覧会が中心でしたけれど、それ以外の方法というのもあるわけですね。
:自分の経歴を書く時に顕著にわかってくるのですが、初個展をやってから5、6年は、完全に展覧会(展示)を中心に考えていました。経歴の中心は「どこのギャラリーで個展・グループ展を開催したか」等であり、人に頼まれてロゴマークを作った、記事を書いたなどはあくまで副次的な経歴扱いをしていました。しかし2003年に「発見美術館」を出版したあたりから変わってきました。経歴を書く時、展覧会以外のものが増えてきたのです。

展覧会以外の発表方法

:たとえばどんなことですか。
:その当時でいうと、上記の出版はもとより、ポスターのための絵を描いたとか、雑誌等で紹介されることが少しずつ増えて行きました。私は少ない方ですが、ライブペインティング(公開制作)なども行なったり参加したりするようになりました。展覧会に付属すると思われていたものが膨らんできたのです。

:それからは展覧会も数あるうちの一つになったとか?
:そうです。実は「発見美術館」を出す少し前くらいのある時、親戚の会で、今は亡き祖母を中心に集まったことがあるのですが、みんなが孫それぞれの今について、老いた祖母に説明していました。その時「永太良は頑張って個展を続けているよ」という説明があったのです。褒めている意味で言ってくれたのではありますが、同時に「自分は個展をやっているという印象しかないのか」と気がかりになったのです。これは悪いことではありません。ミュージシャンが「コンサート活動を頑張っているね」と言われればそれは職業冥利に尽きます。絵を描いている人間も同じはずなのですが、どこかで「展示以外にも作品を見せる方法があるのでは?」と、その頃からすでに探っていたのかもしれません。


展覧会以外の発表方法

:そうした思いが、ちょうど同じ頃から行われていた展示以外の活動とつながっていたのかもしれませんね。
:ミュージシャンの例でついでに言えば、ミュージシャンは昔から新しいレコード(かつてはレコード盤、今はCDや音楽ダウンロード)の発表というのを行ないます。生で音楽を聴いてもらうのとは別の活動ですが、大変一般的な方法です。アートも、実物を見せられることが一番理想ですが、今の時代、複製を通じて知ってもらうことも一つの方法であるとかねてからも思っていたのです。

:先ほどのポスターや雑誌での紹介も、いわゆる複製にあたるわけですよね。
:そうですね。考えてみれば、歴史に残る名画など、誰でも知るような絵は少なからずありますが、本物を見たことがあるかと言えば、写真を通しての複製でしか見ていないものもかなりあると思います。


展覧会以外の発表方法

:そういえばそうですね。
:そうしたものは、複製画を通じて、多くの人に親しまれてきました。自分の作品も、直接見てもらわなくてもそうした方法で親しんでもらうこともできると思ったのです。

:今はネットも発達しているし、昔よりもいわゆる複製は伝播しやすい時代ではないでしょうか。
:最近、SNSで作品を投稿することもやっています。見てもらうためだけなら、これも展覧会に限りなく近い効果はあると思います。デメリットとしては作品のサイズや質感が掴みづらい、作品を欲しいと思った人がその意志を伝えづらい等はありますが。
見た人もいいねスタンプをくれたり、コメントをくれたりするので、実際に展覧会場で話している臨場感は少なからずあります。

:今後は展覧会とともに、そうした方法でも作品発表もしてみたいということですね。

  

 

  
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