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アートが気になるインタビュアーが宮島永太良を探る!

 

「宮島永太良研究」第24回 タイトルA

=アートが気になるインタビュアー/A=宮島永太良

:前回から、宮島さんの作品のタイトルについてお話しいただいています。やはり、作品は言葉で説明できることが大事。そしてその延長上にタイトルが登場するということでした。そして、宮島さんとしては作品を「無題」とか番号で表示したりするよりも、何か具体的な名前を与えた方が良いということでしたね。
:そうです。自分自身はもちろん、作品を見る人もその方がわかりやすいと思います。私も本などで絵を見た時、そのタイトルに具体的な名前があった方が印象も強く入ってきます。

:そんな宮島さんですが、作品のタイトル以外にもいろいろ命名されているとうかがっています。
:はい、私の在籍会社である「ピローズ」、また企画運営をやっている「ミーツギャラリー」、同じく企画にかかわっているチーズケーキの「レゾルカ」などがあります。またかつては、テレビの美術番組の制作をやっていたこともあり、その番組タイトル「アート夢ぽけっと」も命名しました。千葉テレビで放送してもらっていましたが。


「レゾルカ」

:こうしてみると多いですね。たとえばチーズケーキのレゾルカはどのような視点で命名されたのですか。
:まずどこにもない名前を考えようと思いました。これは「ミーツギャラリー」という名前が他にもあったことに対する後悔からもありましたが。レゾルカは地中海の塩を使っているので、塩の英語「SALT」を日本語読みの「ソルト」っぽく真ん中に入れ、あとは開発したパティシエの名前を分解して入れた感じです。

:そうなると命名の理由は一般にはわかりませんね。
:それでいいと思います。世間に出ている商品なども、「どこから付けた名前だろう」と思うものもありますが、どこかしらに個人的な要素もあるのでしょう。

:前後しますが、ミーツギャラリーの命名秘話はありますか。
:これはまさにいろいろな人が出会える、「MEET」できる場を願って付けました。しかしこの名前を付けた頃は、まだ「検索してすぐ出るか」といったような意識が、社会的にもまだそんなには濃くなかったし、少なくとも私は考えてはいませんでした。


ミーツギャラリー

:今後はそうしたことも、命名する人は考えざるを得なくなっていくのでしょうね。そう言えば、ご自身の個展も、いくつかタイトルの付いたものがありましたね。それらも当然ご自身の命名と思いますが。
:はい、ほとんど私自身の命名です。2回目の個展で「ゼロからの出発」というのがありました。これは一展示作品のタイトルからの引用でした。その作品は、新幹線のゼロ系と、その車中で食べるであろう駅弁を組み合わせた構図でした。旅立ち(出発)をテーマに描きたかったのですが、私としては新幹線というと子供の頃から親しんでいたゼロ系なのです。ただ、ゼロ型のみのことを言っているのでなく、自分にとっての新しい出発、無から有への出発も意味したかったのです。実はこの個展の少し前に祖母を亡くし、気持ちとしても祖母を見送った後の自分、大げさにいえば一人で生きて行かなくてはいけない自分を見つめたかったのです。


「ゼロからの出発」

:それはいろいろな意味で重要な一作品、一個展であったのでしょうね。やはり天国に行った方と交信したいという宮島さんの気持ちもあらわれていますね。
:この他にも個展のタイトルで、「ジャポッピカル」というのがありました。これはその時出品した作品の傾向からつけました。私は昔から、日本的な柄や文様というのが南国・熱帯地方のそれと似た部分があるのではないかと考えていたので、自分なりにそれを融合させた図柄から作った絵を中心に出品しました。ジャポニズムとトロピカルを掛け合わせた言葉です。
また、造語ではありませんが、毎年4月に主催している「花まつり」も命名しました。ただ、気づかれている方も多いと思いますが、「まつり」はあえて平仮名で書いています。通常、仏教関係の催事では「花祭り」と書きますが、自分主催のものが少し差別化されるように、何となく考えていました。

:今年も、その「花まつり」が開催されるようですね。
:はい、ここ何年かはこれまでと少し違うスタイルで開催しましたが、今年もまた新しい試みになる予定です。詳しくはこの「月刊宮島永太良通信」をご覧下さい。

  

 

  
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