TOPTalk : 対談

K-OZAWAさん「描くこと 観ること」を語る 後編

K-OZAWAさん


◇K-OZAWAさんプロフィール  
絵描き / イラストレーター
1979年東京都新宿区生まれ
専修大学経済学部卒業
Art-Qメンバー
趣味:音楽鑑賞 聴くジャンルはタイ、香港、台湾、韓国、ブラジル音楽から1960年代のフレンチポップスまで幅広い。
活動:2014年からArt-Q展で作品展示
   2015年から「劇団ふぁんハウス」の公演チラシ制作など
  (2022年は「久美・美容室物語」)
web:https://colourtrash.jimdofree.com
   https://www.facebook.com/kozawacolourtrash

 
K-OZAWAさん
 
 

前号からの続き… K-OZAWAさんにとって「描くこと」とは?


宮島通信編集部
(以後Q):描いてる時はどんな気持ちですか?
K-OZAWAさん(以後A):絵の中のストーリー展開を考えてから描き始めますが、筆を持っているときは集中し無心ですが、一旦止めた筆を止めた時には色々見直しています。加えて最近は絵を観る方の気持ちを考え、内容が分かりやすくする様に描く工夫を私なりにしています。

Q:描いていて達成感を覚える時は?
A:描いている時は、いつどこで完成が見えてくるのかわからない状態です。それで、絵が9割ぐらい完成する頃にやっと終わりが見え、細部の描き忘れとか、色味の最終チェックをし、完成する前にサインを入れるのですが、その時かな。でも達成感と言うより、一段落ついた感じですね。

Q:では、ちょっと視点を変えた質問をします。制作時に精神が高揚する時は?
A:描いている時って、私にとっては、ただ淡々と筆を進めるだけなので思っているよりドラマチックではありません。それよりも絵の構想そのものを思い付いた時の方が、精神的に高揚しますね。

K-OZAWAさんと宮島

Q:では、発想が一番?
A:そうです。描くことは無から有を生む感覚なので、頭の中で構想が少しずつまとまってきて、絵のストーリーの方向性が決まった時には本当にテンションが上がります。それから描き始めゴールに向かいますが、途中イメージに合うよう細かい部分に修正を加えます。

Q:描いている時、食事とかは?
A:熱中し絵に向き合うと時間の感覚がなくなり、イメージした絵をどう描くのかに意識が行ってしまい、日常的なことに気が回らなくなる場合もあります。

Q:描き続けていて、どうですか?
A:実際しんどい時もありますが、やはり好きだし面白いので、これからも描き続けます。

K-OZAWAさんと宮島
 
 

K-OZAWAさんにとって「観ること」とは?

Q:次は、好きな作家についてお聞かせください。
A:はい。自分でも知らないうちに国内外色々な作家さんから影響を受けていると思います。 それで最近気付いたのですが、どうやら私は独自の世界観を持っている人に惹かれているようです。

Q:惹かれる作家のお名前は?
A:5人を挙げると、色彩感と祝祭感のヒロ・ヤマガタさん、アメリカンフォークアートのJane Wooster Scottさんからは色彩もさる事ながらノスタルジックな雰囲気、ジブリ作品も手掛けている井上直久さんからは素敵な世界と色合いの美しさ、これまでになかった「都市と鉄道と猫」を描く佐久間真人さんからは斬新な発想をいただき、それぞれから影響を受けていると思います。 そして、忘れてはならないのが、KEI MASUDAさんです。20年以上前、私が高校生だった時、ある方からKEIさんの絵を使った1997年のカレンダーをいただき、観た瞬間に気に入ってしまい現在に至っています。 とにかくKEIさんの絵の色合い、色の対比や寒暖差が素晴らしく、彼を知らなかったら、私の絵は今のようになっていないと思います。

惹かれる作家さんの作品を持って

Q:絵の鑑賞法は?
A:好きな作家の展覧会があると、何があっても這ってでも行きます(笑)。2021年暮れに井上直久さんの作品展示が銀座三越であり、コロナ禍で公共交通機関の利用を控えているような状況でしたが、どうしても観たかったので自宅から1時間掛けて銀座まで徒歩で往復しました。

Q:熱心ですね。OZAWAさんにとって観ることとは?
A:やはり好きな作家さんは自分の世界観を持ち、それを絵にしている人たちです。専門的に描くことを習ったことのない私は、テーマ、構図や色合いを参考にしながら好きな作家さんを通して実際の描き方を習ったと言えるかもしれません。それはこれからも同じでしょうね。

K-OZAWAさんお気に入りの画集

Q:心情的には?
A:好きな作家作品からは、何故か体験しているしていないにも関わらず、心地良い郷愁、ノスタルジーを感じます。加えて、精神が崩れると体にも影響するので、好きな絵を観ることは精神衛生面はとても良いと思います。あと…

Q:あと?
A:展覧会での作品鑑賞だけでなく、アートウォークとして街を歩くのも好きです。街中で何気なく見かけた街路樹やユニークな店から絵のインスピレーションを受けることが多々ありますよ。

K-OZAWAさんおすすめスポット

Q:最後の質問です。アートウォークにオススメの街は?
A:横浜です。あそこには港をはじめ、山下公園、山手の西洋館から日本最初の電話ボックスまで、観るものが色々あるので歩いていれば刺激を受けます。それにしても、はやくコロナ禍が終わり、どこでも自由に歩ける日が待たれますね。

Q:今日はありがとうございました。

 

終わり


取材日:2022年01月09日

(構成・撮影 関 幸貴)

 
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