第3話 「また今度!」
遠くで、おもしろい形をした松の木が笑っている。
「あんな所におもしろい木があるぞ。行ってみよう」
マルタが走り出す。
松の木は笑いながら言った。
「こっちに来ちゃだめだよ」
近くに、ウサギ用のわなが仕掛けてあった。
でも声は届かず、知らずに向かって行くマルタ。
すると突然、松の木は怖い顔になった。
「わあー、怖いよう!!」引き返して逃げるマルタ。
マルタを見送って、松の木はまた笑顔に戻った。
「また来てね!」
僕の笑顔を覚えていてくれたら、
今度こそ一緒に遊ぼう、と願う松の木だった。