第1話 「気球」 ※すべてモノローグ
「あっ、空に何か飛んでいる」 「乗りたいな」
「ジャンプして乗ってみよう。それ!」
「だめだ。届かない」
「もう一度。今度はもっと高く。それ!」
「まだ届かない」
「あれ、さっきより近くに飛んでいるぞ・・・」
「わかった」
だんだん下がってきていることに気づいたマルタ。
「もうちょっと待ってみよう」
もっともっと下がるまで待ってみる。
「もういいだろ」
「それ!ピョン!」
「乗れた!」大喜びのマルタ
しかしマルタの体重で重くなり、さっきより早く降りている。
「ああもう着いちゃった」つまらながっていると、一羽の鳥が飛んできて、
風船をつついて割っていってしまった。
「せっかく乗れたのにぃ」
愕然とするマルタ。